「植物の化石」として売られていた琥珀のアクセサリー
この奇妙な物語は2015年に遡ります。
中国地質大学(GUC)の古生物学者であるシン・リダ(Xing Lida)氏は、ミャンマー北部・カチン州のミッチーナーで開かれていた琥珀市場を訪れていました。
琥珀は昆虫や植物など太古の生物を保存していることがよくあったからです。
そんな中、リダ氏はずらりと並んだ琥珀の中に一風変わった琥珀を偶然に見つけました。
中に茶色い繊維状のものが保存されていたのです。
売り主に「これは何か?」と聞いてみると、「植物の一種が保存されていて、アクセサリーとして売りに出している」と答えたといいます。
古生物の専門家ではない売り主にはどうやら植物に見えたようですが、リダ氏からすると明らかに植物ではありませんでした。
むしろ、鳥の羽毛に似た何かに見えたのです。
そこでリダ氏は琥珀を買い取って研究室に持ち帰り、CTスキャンを用いて詳しく調べることにしました。