マーモセットの鳴き方「フィーコール」とは?
マーモセットはオマキザル科に分類される小型の霊長類です。
主に南米のコロンビアやブラジルを原産地とし、熱帯雨林の中で樹上生活を送っています。
高い社会性を持つマーモセットは私たちヒトと同様に一夫一妻制の小さな家族集団を作り、両親が一緒に子育てをします。
そんな彼らを特徴づけるのは「フィーコール(phee-calls)」と呼ばれる甲高い笛のような鳴き声です。
マーモセットはフィーコールを使って、距離の離れた仲間たちとコミュニケーションを取っています。
こちらが実際のフィーコールの映像です。
(※ 視聴の際は音量にご注意ください)
研究チームは、マーモセットがこれだけ複雑な鳴き声を使ってコミュニケーションを取るならば、仲間の名前を呼び合う能力も持っているのではないかと考えました。
私たちヒトは「太郎さん」とか「花子さん」のように特定の名前で呼び合っていますが、同じ能力はこれまでにバンドウイルカとゾウでも確認されています。
イルカやゾウの場合は、特定の仲間に対して特定の鳴き声を紐付けするやり方でネーミングしています。
またヨウム(オウムの仲間)でも親がヒナに名前(固有の鳴き声)を使って呼んでおり、ヒナも以後それを自分の呼び名と認識している可能性が報告されています。
他にもメジロサメにおいて、こうした報告がありますが動物が固有の呼び名を相手に使っているか見極めるのはかなり難しいため、まだ明確なところはわかっていません。
ただ、ヒトの仲間とされる霊長類では、まだ仲間に名前を使うという報告はありませんでした。
そこで今回の調査ではマーモセットも同じことをしていると考え、実験で検証してみたのです。