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Credit: canva
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【アルコール度数80%でほろ酔い】スズメバチは生物界一の「酒豪」だった!

2024.10.28 Monday

スズメバチはのんべえも顔負けの”酒豪”だったようです。

イスラエル・テルアビブ大学(TAU)の最新研究で、地中海沿岸に見られる「オリエントスズメバチ」は生物界一のアルコール耐性の持ち主であることが明らかになりました。

私たちが普段楽しんでいる缶ビールのアルコール度数は5%前後。

それでも酔ってしまう人はたくさんいますが、オリエントスズメバチはなんとアルコール度数80%でやっとほろ酔いになるくらいだったのです。

研究の詳細は2024年9月7日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されています。

Oriental hornets do not get sick or die when consuming very large amounts of alcohol, study shows https://phys.org/news/2024-10-hornets-sick-die-consuming-large.html
Tolerance and efficient metabolization of extremely high ethanol concentrations by a social wasp https://doi.org/10.1073/pnas.2410874121

スズメバチはお酒で全く酔わない?

私たちヒトはお酒が大好きな生き物であり、毎日の晩酌が生きがいという方も少なくないでしょう。

それは他の生物たちも決して例外ではありません。

自然界には醸造されたビールや日本酒などはありませんが、花蜜(かみつ)や果実が熟して発酵するとアルコール成分が発生します。

発酵とは、酵母菌が花蜜や果物に含まれる糖を分解してエタノールを生成するプロセスです。

エタノールは非常に高エネルギーな成分であり、砂糖のほぼ2倍のカロリーを含んでいます。

そのため、自然界ではとても貴重なエネルギー源となっているのです。

実際にサルや昆虫、鳥、ゾウを含む何十種類もの生物たちが日常的に発酵した花蜜や果実を食べていることがわかっています。

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ヒトだけでなく多くの動物がお酒好き / Credit: canva

その一方で、エタノールを摂りすぎると望まない副作用が出るのも私たちヒトと同じです。

特に自然界の生物のほとんどはアルコール耐性があまり高くなく、アルコール度数4%を超えると、ぐでんぐでんになります。

つまりは正常に歩いたり飛行することができなくなるのです。

ところがテルアビブ大学の研究チームは、その中で興味深い例外がいることに気づきました。

「オリエントスズメバチ(学名:Vespa orientalis) 」です。

オリエントスズメバチは地中海沿岸に見られるスズメバチの一種ですが、その他にマダガスカルやインド、それから人間による移入で南米でも見られるようになっています。

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オリエントスズメバチ / Credit: ja.wikipedia

チームは以前から、オリエントスズメバチが発酵した果物を積極的に食べているのに、エタノールによる副作用をまったく受けていないように見えることを不思議に思っていました。

そこでチームは今回、オリエントスズメバチたちがどこまでのアルコール度数に耐えられるのか、検証してみることにしました。

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