・国や文化を問わず、「フェイクの笑い」を見抜ける人の方が多い
・産業化により社会が発展した国の方が「フェイクの笑い」を見抜ける確率が高くなる
・これは、他人の感情に敏感になる必要があるためと考えられ、日本人は「フェイクの笑い」を見抜くのが得意であった
あなたは「本当の笑い」と「愛想笑い」の違いを見抜くことができますか?
UCLAでコミュニケーションを研究するグレッグ・ブライアント教授が、最新の研究によりそれらの「違い」を見抜く力を文化を超えた世界中の人々が持っていることを明らかにしています。
http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/0956797618778235
6大陸を代表する20の国において実施したこの調査。英語で録音された「本当の笑い」と「フェイクの笑い」を聞き分けることができるかどうかが焦点となりました。
調査の結果、すべての国において、それらを聞き分けることができる人の方が多いことが判明。しかしながら、その数値にはバラつきがありました。たとえば、ポリネシアのサモア人の正答率が56%だったのに対し、日本人の正答率は、それを大きく上回る69%といった高い数値を示しました。
これについては、社会が高度に複雑化した国において、人々が他者の感情を敏感に察知する必要があるといったことが要因として考えられます。すなわち、日本人は他者の態度から「本音を見抜く」のが得意な民族であることが分かります。
ブライアント教授は、「分かりやすくするために、この研究において『リアル(本当の)』と『フェイク(偽の)』といった単語を使いましたが、厳密に言えば全ての笑いは『リアル』です。ただ発声のシステムが異なっているだけなのです」として、その微妙な違いについて語っています。
「本当の笑い」は、当然ながら「友好の証」として受け取られます。しかしながら、「フェイクの笑い」が必ずしもその逆であるとは限りません。特に産業化が進んだ地域においては、礼儀正しく、協力的な態度であるとみなされる場合があります。すなわち、そのような社会においてはたとえ「フェイク」であっても、笑っておいた方がいいシチュエーションがあるということです。
そういった感覚は、確かに我々日本人には理解しやすいものなのではないでしょうか。ブライアント教授はさらに将来の研究において、言語や文化による「笑いの音」の違いについて調査したいと語っています。
via: eurekalert / translated & text by なかしー