魔法の粉の正体は高吸水性ポリマー
水を注ぐだけで膨張するこの粉末は、架橋処理を施した「ポリアクリル酸ナトリウム」です。
「高吸水性ポリマー(SAP)」とも呼ばれています。
そしてこれは、自重の数百倍から約千倍まで水を吸収・保持できるため、水を注ぐとGIF画像のような現象を起こします。
では、どうして高吸水性高分子(架橋したポリアクリル酸ナトリウム)は大量の水を吸収し、保持できるのでしょうか。
まず、高吸水性高分子のイオン濃度は、水中のイオン濃度よりも高い状態にあります。
そのため、高吸水性高分子が水に接触すると、浸透圧が発生。
浸透圧とは濃度の異なる液体が半透膜を通して接した時、濃度を一定に保とうとして水が移動する力のことです。
この浸透圧により、濃度の低い方から高い方へと水が移動する力が生じ、高吸水性高分子は水を吸水するのです。
また、高吸水性高分子は親水性(水を弾かず、水と相互作用しやすい性質)も持っています。
この親水性は、紙が水をすぐに吸収するのと同じく、高吸水性高分子がたくさんの水を瞬時に吸水するのに役立っています。
ここでまでで、高吸水性高分子が水を吸収しやすいことが分かりました。
次に、その吸収した水をどのように保持しているのか考えてみましょう。