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水を吸収して膨らむ粉末の正体とは!? / Credit:NileRed(YouTube)_Demonstration of Instant Snow (Sodium Polyacrylate)(2015)
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【これって何?】一瞬で水が消えて大量の粉になる不思議な現象の仕組み

2025.02.02 12:00:52 Sunday

水を注ぐと雪のような物体があふれ出る / Credit:NileRed(YouTube)_Demonstration of Instant Snow (Sodium Polyacrylate)(2015)

容器に入った少量の白い粉末に水を注ぐと、膨張し、大量の雪のような物質になる

まるで手品のようなこの現象はなんなのでしょう?

この映像を見ると、この粉末は非常に給水能力の高い物質で、少量で大量の水を吸収してしまっているのだと考えられます。

これに該当する物質の候補としては、「ポリアクリル酸ナトリウム」と呼ばれる物質が考えられます。

これは日常生活の様々な場面で活躍しており、赤ちゃんの紙オムツにも使われています。

では、どうしてポリアクリル酸ナトリウムは、少量で大量の水を吸収することができるのでしょうか。今回はその性質について解説します。

Super-Absorbing Polymer Powder https://www.cmu.edu/gelfand/lgc-educational-media/polymers/polymer-and-absorption/super-absorb-powder.html

魔法の粉の正体は高吸水性ポリマー

を注ぐだけで膨張するこの粉末は、架橋処理を施した「ポリアクリル酸ナトリウムです。

「高吸水性ポリマー(SAP)」とも呼ばれています。

そしてこれは、自重の数百倍から約千倍まで水を吸収・保持できるため、水を注ぐとGIF画像のような現象を起こします。

では、どうして高吸水性高分子(架橋したポリアクリル酸ナトリウム)は大量の水を吸収し、保持できるのでしょうか。

まず、高吸水性高分子のイオン濃度は、水中のイオン濃度よりも高い状態にあります。

そのため、高吸水性高分子が水に接触すると、浸透圧が発生。

浸透圧とは濃度の異なる液体が半透膜を通して接した時、濃度を一定に保とうとして水が移動する力のことです。

この浸透圧により、濃度の低い方から高い方へと水が移動する力が生じ、高吸水性高分子は水を吸水するのです。

また、高吸水性高分子は親水性(水を弾かず、水と相互作用しやすい性質)も持っています。

この親水性は、紙が水をすぐに吸収するのと同じく、高吸水性高分子がたくさんの水を瞬時に吸水するのに役立っています。

ここでまでで、高吸水性高分子が水を吸収しやすいことが分かりました。

次に、その吸収した水をどのように保持しているのか考えてみましょう。

次ページ水を保持できる理由は「網目構造」

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