画像
水を吸収して膨らむ粉末の正体とは!? / Credit:NileRed(YouTube)_Demonstration of Instant Snow (Sodium Polyacrylate)(2015)
chemistry

【これって何?】一瞬で水が消えて大量の粉になる不思議な現象の仕組み (3/3)

2025.02.02 12:00:52 Sunday

前ページ水を保持できる理由は「網目構造」

<

1

2

3

>

ポリアクリル酸ナトリウムは日常生活で役立っている!安全性は?

ポリアクリル酸ナトリウムは、日常生活の様々な場面で活躍しています。

例えば紙おむつに使用されています。

紙おむつではおしっこを吸して逃さない必要がありますが、ポリアクリル酸ナトリウムの働きによってそれを可能にしているのです。

昔は分厚い紙おむつに頼っていましたが、ポリアクリル酸ナトリウムの吸水力のおかげで、紙おむつは劇的に薄くなりました。

私たちの多くは、赤ちゃんの頃からポリアクリル酸ナトリウムに助けてもらっていたのです。

画像
ポリアクリル酸ナトリウムは、紙おむつや水で膨らむビーズ、芳香剤などに利用されている / Credit:Canva

またビーズタイプの芳香剤にもポリアクリル酸ナトリウムが利用されています。

それらビーズには消臭剤が混合された水分があらかじめ吸収させられており、徐々に空気中に放出することで、芳香剤としての効果を発揮しています。

使用し続けた芳香剤のビーズが小さくなるのは、内部の水分が外へ逃げたからであり、交換時期がひと目で分かります。

また100円ショップなどで見かけるおもちゃ「水で大きくなるカラフルなビーズ」も、ポリアクリル酸ナトリウムです。

そして驚くかもしれませんが、少量のポリアクリル酸ナトリウムは、食品添加物としても使用されています。

主に増粘剤や乾燥材としての役割が期待されており、加工食品や冷凍食品などに幅広く使用されています。

食品に使用されていることから分かる通り、ポリアクリル酸ナトリウムは、毒性が低く安全性が高い成分です。

少量であれば食べても問題ありません。

しかし、食用でない「ビーズタイプのポリアクリル酸ナトリウム」を、子供や赤ちゃんが誤飲するアクシデントが生じることがあります。

その場合、ビーズが体内で水を吸収して大きくなるため、過去には誤飲が原因で手術が必要になったケースもあります。

ポリアクリル酸ナトリウムは非常に便利で、身の回りにたくさん存在していますが、なんでも口に入れてしまう子供たちの手が届かない場所に保管しておくべきでしょう。

<

1

2

3

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

化学のニュースchemistry news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!