今はまだ鏡の世界にいる『鏡像細菌』──もし誕生すれば生態系を揺るがす恐れ
今はまだ鏡の世界にいる『鏡像細菌』──もし誕生すれば生態系を揺るがす恐れ / Credit:Canva . 川勝康弘
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鏡の世界にいる『鏡像細菌』は絶対に誕生させてはならない【共同声明の発表】 (2/2)

2024.12.17 17:00:19 Tuesday

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互いに喰い合えない「第二の生命の樹」

現時点で、鏡像細菌はまだ鏡の世界に留まっています。

しかし、もし彼らが現実世界に解き放たれれば、既存の生物圏内では見られなかった新たな生化学的経路が活性化し、やがては既知の生命樹とはまったく独立した「第二の生命の樹」が根付く可能性があります。

この新たな生命体系は、通常の微生物群が担ってきた分解・循環プロセスとは異なる代謝経路によって物質を変換し、従来の生態系が利用できない有機分子や無機資源を、別の形へと組み上げていくかもしれません。

結果として、地球全体の生化学的バランスが一変し、従来の生物圏に属する生物がアクセスできなかった形の資源プールや栄養経路が新たに定着する可能性があります。

異なる生命の樹に属する生命は互いを食べることができない
異なる生命の樹に属する生命は互いを食べることができない / Credit:Canva . 川勝康弘

こうした「第二の生命の樹」は、既存の食物連鎖とは交わらないため、エネルギーや元素循環の流れも独自のパターンを獲得するでしょう。

たとえば、海洋深層や地下水脈、極地氷床下といった極限的な環境下で、従来種とは全く異なる酵素反応や環境適応戦略を発達させることで、新生命圏が孤立した「生態的ポケット」として拡散・進化し続ける可能性もあります。

また第二の生命の樹で誕生した病原菌が、既存の生命の免疫システムでは対処できないパンデミックを引き起こす可能性もあります。

異なる生命の樹に属する生命にとって相手側は完全な競争相手であり、理論的には、バイオマスを減らせば減らすほど、自分が属する樹を広げることができます。

つまり鏡像細菌の出現は、生態系をより過酷な場に再編成してしまう危険性も秘めているのです。

ただし、鏡像生命ではなく鏡像生体分子の研究のほうは、大きな恩恵となる可能性を秘めています。

医薬品や材料科学、基礎研究への応用は、生きた鏡像生物を生み出さなくても実現可能です。

そうした分子レベルの応用に焦点を当てることで、技術革新をもたらしつつリスクを最小限に抑えることも可能になるでしょう。

科学者たちは、ミラーバイオロジーの潜在力を最大限に引き出しつつ、その最悪のシナリオを回避すべきだと結論しています。

かつて人類は、核兵器の危険性について危惧していたアインシュタインをはじめとする研究者たちの声明を無視し、戦争で核を使ってしまいました。

結果、予想もつかない核兵器の毒性を体験することになります。

同じ過ちを繰り返さないためにも、著名な研究者たちの声明には耳を傾けるべきでしょう。

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鏡の世界にいる『鏡像細菌』は絶対に誕生させてはならない【共同声明の発表】 (2/2)のコメント

ゲスト

戦闘妖精雪風のジャミーズを思い出した

    ゲスト

    そうそう。無人戦闘機といい、戦闘妖精雪風は殆ど予言の書みたいになってる。

ゲスト

想像するだけで恐ろしい。

    ゲスト

    こんなん気にする意味ねーw
    鏡像細胞が出てもそれが超最強な生物じゃなければ結局既存の細胞には数の暴力で負けるんだから。
    ボコボコのリンチにされるだけだから、こんなんに警鐘ならしてる科学者どもは全員頭悪いから邪魔すんな。人間の奴隷用の人間作るために早く鏡像細胞で人間作ってくれよな!

    ゲスト

    既存の細胞では太刀打ちができないと言っているのに、既存の細胞に数の暴力で負けるとか、読解力ゼロなのか。。。

    ゲスト

    これが1行も読めないって言われてるやつかを。。。末恐ろしい

    ゲスト

    こっちが太刀打ちできないように、向こうもこっちに太刀打ちできないんだぞ。

    ゲスト

    返信欄の一番上君。
    文章を読まずにコメントを書くなよ。

    ゲスト

    たぶん彼は鏡像生命だから日本語を正しく解釈する力に欠けてる。

    ゲスト

    なんでこれ読んだんだろうね

ゲスト

こっわ

ゲスト

案外そっちが正解だったりして。

ゲスト

早く鏡像人間の誕生を目指すんだ

ゲスト

以前、海外の科学番組で「鏡の国ではアリスは生きていけない」という説明がされていたのを思い出します。
鏡の世界の動植物のタンパク質が右利き型のため、左利き型のタンパク質でできてるアリスの体には栄養にならないという内容でした。

ゲスト

そもそも鏡像の生物は正像の環境にある物質を代謝できるの?

やっぱり物質には何かしら理由があって今の正像の世界が作られているのだから、鏡像の生物はこの環境で長く生きられないと思う。

    ゲスト

    上位捕食者の鏡像生物は正像の環境で生きていけないかもしれませんが
    独立栄養細菌や植物の鏡像生物は有機物を必ずしも必要としないので
    それらのリソースで正像の生命と競合する可能性が高いように思います。
    そういった事が危惧されているのかなと思いました。

ゲスト

地球上のほとんどの栄養素は左向きなんだから、右向きのバクテリアが発生しても既存の栄養素を獲得できず、すぐに死滅すると思う。
無菌環境なら増殖するかもしれないけど。

    ゲスト

    栄養素のすべてがタンパク質だと思ってる?

    はにゃ

    釈迦に説法

ゲスト

無干渉でも光合成なら単独で増加できるか

ゲスト

宇宙人が地球生物にとっての鏡像生物だったらどうすればいいんだろうか

ゲスト

30億年の間に鏡像型の遺伝物質やタンパク質が自然界の中で合成されなかったと考えるのは難しいような…なんらかの理由で正像型の生命との競争に負けたか、自然環境の中での壊れやすさに違いがあるのか
とは言え、確かに人工合成されたものが突発的に環境中に放出されると、どんな危険があるかは未知数だよね

    ゲスト

    プリオンなんかもあるわけだから、すでにそういう類のものは合成されていたんじゃないかと思います。
    そして何らかの理由で鏡像型は主流にはなり得なかったと。

ゲスト

なんか対称性の破れの要素があるんでないの?

ゲスト

食べても栄養にならない

太らない食品ってことで
いい感じに味付けして売り出したら、人間に捕食されすぎで絶滅するんでないの?

とか思ってしまうのは自分だけでしょうか。

ゲスト

恐ろしい影響を考えると、その罪は極刑でもいいな

おじさん

「生命に必須な分子は、左右の「手」のような鏡像関係を持つ2種類が存在します。」とあるが、最も単純なアミノ酸であるグリシンは鏡像異性体を持たない。
「生命に必須な分子の多くは」とかにした方が誤解が少ない。

ゲスト

元の生命体が鏡像生命体が作ったアミノ酸とかブドウ糖とか取り込んだらヤバいんだったら
鏡像生命体が元の生命体の作ったアミノ酸やブドウ糖を取り込んだら不都合が起きて増えなくなるんじゃない?
独立栄養生物でも近くにアミノ酸とかあったら吸収しちゃうんじゃないの?

    ゲスト

    栄養として利用できないだけで、有害なんてどこにも書いてないが

ゲスト

鏡像生物が既存の生物に対して圧倒的に強い要素が”既存生物が食えない”以外にこれと言って無いのになんで既存の生物種が利用している環境に鏡像生物が潜り込める前提で考えられているのかがわからない…。

鏡像生物の視点で考えたらこの世界に存在する多くの有機物が鏡像異性体のようなものだから全部自分たちで無機物から合成したものしか使えない、栄養的に非常に厳しい環境でその上(鏡像生物にとっての)鏡像生物が遍く存在していて鏡像タンパク質を製造しまくってる…。誤って取り込めばもちろん栄養にならない。

鏡像生物にとって現在の地球環境は不利でしか無いのにどうして既存生物が追いやられるんだ?

    ゲスト

    「外敵」がいない環境で鏡像生命が栄養問題を解決しちゃう可能性があるって事そのものが問題ってことじゃない?

ゲスト

なぜ支持する人がいる!今すぐ中止すべきだ!

悪夢

結果はどうあれ
作成可能で有ればいずれは作り出されるだろう。
自分は今新型コロナウイルスに感染して熱が出ている。
新型コロナウイルスは研究所から漏洩した人工ウイルスと言う説もある。
我々は自分たちが作った技術を使いこなせない。いずれは絶滅するだろう。

たいむ

一部の微生物が逆の糖を利用しているとかあるので、一応、現実社会でもかなり限定的だけど鏡像関係にある糖やらアミノ酸を利用していますね。
 此奴らが限定的なのは、化学合成するとDLが等量出来るけれど、生化学的に合成される場合は、どちら一方しか生産されないから。自然界にある材料が既に偏っているから、鏡像細菌は生き残れないか、限定された場所でしか生存できないと思う。

ゲスト

腐海?

ゲスト

人間と言う生き物は、感情と言う素敵なものを持っている。しかしそれが反対担ったりそれを理性が越えてしまうときがある。それが積み重なって行けいくほど絶滅の道は近くなってしまう。人間にとっての一番の武器が自分を滅ぼすときが来るかもしれないと言うのは皮肉でしかたがないよね。…

ゲスト

やばいやつ 沸いてますね草

鏡像細胞は体内で外敵として認識できない 共食い もできない
その中で鏡像細胞が左巻き細胞の栄養源となるものを取り入れる もしくは別の栄養源で活動できるとなれば
半永久的に増殖し続ける
これが意味するのは
自己増殖するレプリコンの先にある
最終形態の生物兵器につながる
こんな簡単なことがなぜわからないんだ?

生でも死でもない第3の形態のホモサピエンスの細胞も確認されている
死んだ後の細胞が動き回るというもの
これは魂のない生物。ゾンビということになる
そしてゾンビウイルスはもうすでに存在している
アメリカの軍がゾンビ対策のプログラムを開発しているのがその証拠

つまり支配しようとする側が悪用して
これを意図的に作り出せるということ

バイオハザードの世界が見たい人間は
これに賛同してるといいよ
自分も食われてゾンビになるだけだから草

雪風

本文中に本当の狙いが書いてありますね、優生学者の究極の考えですね→ ※もし鏡像の右利き型タンパク質分子で構成された人間が生成されてしまった場合、その人物は通常の左利き型タンパク質で構成された人間との間に子供を残せない可能性もあります。

ゲスト

まぁ、包丁でも火でも、使い方間違えたら大惨事だよね。
でも、8割が理解できない2割の人間がいるって言うから、8割の人類がやめとけって言っても、2割はやめないってことか。
幸せとか平和とか愛とか、8割が望んでも2割はそうじゃない。
だから人類は戦争をやめられないし、取り返しのつかない兵器をどんどん作って戦争を望まない8割を巻き込む。

ゲスト

既存の細菌が鏡像細菌をエネルギーとして取り込めないとはいえ、人が植物を咀嚼してその細胞を破壊するように、既存の細菌も鏡像細菌の細胞を破壊することが可能なはずです。
すると、既存の細菌は鏡像細菌と既存の細菌を見分けず取り込もうとするはずなので
鏡像細菌は既存の細菌との生存競争は逃れられないのではないでしょうか。

単純でよいのだ

人類が破滅する可能性のある研究、物質を、これ以上、開発し、産み出す必要はない。それだけの事が何故分からないかの不思議。メリットとデメリットが比較にならない。人類壊滅だよ。少しの人類愛も、想像力もないのか?コロナ体験して、これか。

くすり好き

病院で処方箋もらって薬局でくすり買うときに、ジェネリック医薬品で良いですか?と聞かれたときに、ジェネリックの中には鏡像成分が混じってて効きが良くないかもとかいう話を思い出すんだけど、それってこの記事の話と関係ある?(知らんけど)

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