現世界記録保持者のトレーニングと意外なキャリア
アレクサンドル・ソロキンは24時間走の世界記録のほか、100km、100マイル、6時間走、12時間走の世界記録も保持しており、現代のウルトラマラソンの第一人者と呼べるアスリートです。
そんなソロキンのトレーニングを詳しく分析した研究が2024年に発表されています。
彼のトレーニングを見ると、24時間走に向けて最も負荷を高めた際には、週350kmを超える常人離れした距離を走り、そのメニューもバラエティに富んでいます。
具体的には、休みの日がないのはもちろん、1日に2回走ることも多く、一度に50kmから70kmを走るメニューや、24時間走のレースペースよりも1キロ当たり1分以上速いペースでのインターバル走も取り入れています。
クーロスやオリンピックに出場するようなマラソンランナーと比べても、ハードなトレーニングに裏打ちされた確かな脚力と心肺機能が彼の強みです。
一方で、彼はこのようなトレーニングを年中続けているわけではなく、時期によってその内容にバラつきがあります。
特に主要なレース後には、サイクリングやスイミング、ウエイトリフティングといったランニング以外のトレーニングに取り組んでいます。
このようなメリハリが怪我の予防につながり、結果としてレースに向けて頑張るべき時に思いっきり頑張れることに役立っているのかもしれません。

興味深いことに、ソロキンはランニングを始めたのは30歳を過ぎてからで、そのきっかけは当時100kgあった体重を減らすことでした。
つまり、元々学生時代にランナーとしてエリートだったわけでもなければ、最初から今の成功を思い浮かべていたわけではないのです。
しかし、走り始めてからおよそ10年後には、ウルトラマラソンで数々の記録を打ち立てる偉大な選手にまで成長しました。
ソロキンのような卓越したレベルに達することは、確かに稀なことかもしれません。
しかし、彼のエピソードが私たちに示しているのは、何か新しいことを始めることで、自分の中に眠っている才能や可能性に気付く機会があるということです。
最初の一歩を踏み出すことは簡単ではないかもしれませんが、まずは始めてみることが大切で、いつの間にか自分でも信じられないような成長を実感できるようになるかもしれません。