大人の発達障害とは?
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発達障害は、幼少期に診断されることが多いものの、大人になってから発覚するケースも増えています。
特に、子どもの頃には単なる「性格の個性」と見なされていた特性が、社会生活や職場環境において適応の困難さを通じて明らかになることが多いのです。
ここには主に次のような要素があります。
ASD(自閉スペクトラム症):ここに当てはまる人は、論理的思考や細部へのこだわりが強い一方、対人関係やチームワークが苦手とされる。
ADHD(注意欠如・多動症):ここに当てはまる人は、創造性や瞬発力に優れる反面、集中が続かない、時間管理が苦手といった課題があります。
LD(学習障害):ここに当てはまる人は、読み書きや計算が困難な場合があるものの、空間認識力や直感的な問題解決能力に優れるとされる。
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こうした発達障害は、「障害」と呼ばれているようにネガティブな要因として捉えられる場合が多くなっています。
しかし、実際広く世間を見渡してみると発達障害を持ちながらも、驚異的な才能を発揮した著名人は少なくありません。
たとえば、物理学者のアルベルト・アインシュタインはASDの特性を持っていたとされ、幼少期は言葉の発達が遅れていたものの、後に天才的な数学的直観を発揮しました。
発明家のトーマス・エジソンはADHDの特徴を持ち、学校では「問題児」扱いされてしまい、結局学校にほとんど通わず、実質的に「不登校児」でしたが、その多動性(衝動性)と好奇心を活かし、多くの発明を生み出しました。
また、現代のIT業界でも、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツや、テスラのイーロン・マスクはASDやADHDの特性を持つと言われています。
彼らの論理的思考や創造性、革新への執着心は上手く引き出せた場合、大きなポテンシャルを発揮するのです。
つまり発達障害のネガティブな要因は、あくまで彼らが適応しづらい環境に無理においた場合に生じる問題であって、実際は他の人とは異なる思考形態、特性を持つ人と考える方が適切なのです。
そのため、最近は発達障害を「障害」ではなく「個性」として捉える「ニューロダイバーシティ」という考え方が登場しています。