痛風の発症は遺伝的要因が大きかった
研究チームは、260万人分のゲノムデータを解析し、その中で12万人が痛風を発症していることを確認しました。
さらに、尿酸値の変動に関するデータを併せて分析し、痛風のリスク因子を特定しました。
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その結果、痛風と強い相関を持つ遺伝的変異が377カ所特定されました。
そのうち149カ所は、これまで痛風と関連づけられていなかった部分です。
また、65カ所の遺伝子座は尿酸値の変動には影響を与えているものの、痛風そのものには直接関与していないことも判明しました。
こうした分析結果から、尿酸値が高いことと痛風を発症することは必ずしもイコールではなく、遺伝子の影響が病気の発症に重要な役割を果たすことが示唆されました。
オタゴ大学のトニー・メリマン氏は、次のように主張しています。
「痛風は遺伝的要因による疾患であり、患者のせいではありません。
痛風は生活習慣や食生活が原因だという迷信を打ち破る必要があります」
これまで痛風は、食生活の影響が大きいと考えられていましたが、今回の研究で遺伝的要因を無視できないことが明らかになりました。
もちろん食事や生活習慣の改善も重要ですが、個人の遺伝的リスクを把握することで、より効果的な予防策を講じることが可能になるでしょう。
痛風は「ぜいたく病」ではないのかもしれません。
患者自身や周囲の人々も、気恥ずかしさや偏見を持つことなく、正しい見方でこの病気と向き合っていきたいものです。