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太陽光で発電できる「ソーラーフィルム」 / Credit:Power Roll
technology

フィルムなのに発電できる!薄くて軽いソーラーフィルムが開発中【コスト削減&設置自由】

2025.03.07 11:30:13 Friday

近年、再生可能エネルギーの重要性がますます高まっており、太陽光発電はその中核を担っています。

しかし、従来の太陽光パネルは重量があり、設置場所が限られるという課題があります。

これに対し、英国のPower Roll社が開発した軽量で柔軟なソーラーフィルムは、新たな可能性を切り拓く技術として注目されています。

2025年2月18日付で『ACS Applied Energy Materials』誌に発表された研究では、この新しい太陽光発電の製造技術が詳しく検証されています。

Solar film you can stick anywhere to generate energy is nearly here https://newatlas.com/energy/power-roll-solar-film-anywhere-update/ POWER ROLL SHAPES FUTURE OF ADVANCED MANUFACTURING FOR SOLAR IN COLLABORATION WITH UNIVERSITY OF SHEFFIELD WITH LATEST PAPER RELEASED https://www.powerroll.solar/post/power-roll-shapes-future-of-advanced-manufacturing-for-solar
Back-Contact Perovskite Solar Cell Modules Fabricated via Roll-to-Roll Slot-Die Coating: Scale-Up toward Manufacturing https://doi.org/10.1021/acsaem.4c02734

太陽光発電できるフィルム「ソーラーフィルム」を開発

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従来のソーラーパネルは設置が大変で、場所も限られる / Credit:Canva

従来のソーラーパネルは、重く硬いため、設置場所が限られます。

屋根などは主な設置場所ですが、それでも限界があります。

Power Roll社によると、世界中の商業施設の屋根のうち、少なくとも30%は従来のソーラーパネルに対応できず、その面積は250億平方メートルを超えるという。

こうした課題がある中で、Power Roll社は2012年以来、低コストで製造でき、太陽発電できる「ソーラーフィルム」の開発に取り組んできました。

Power Roll社が開発したソーラーフィルムは、従来のシリコン系太陽電池とは異なり、特殊なマイクログルーブ(微細な溝)構造と酸化鉱物の一種「ペロブスカイト」を組み合わせた独自の技術を採用しています。

このフィルムは非常に薄く、軽量であり、1平方メートルあたり50万個の微細な溝が備わっています。

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ロール・ツー・ロール方式で製造 / Credit:Dominic Blackburn et al., ACS Applied Energy Materials(2025)

製造プロセスでは、「ロール・ツー・ロール」方式(ロール状の基材を巻き出して加工し、再びロール状に巻き取る生産方式)を採用し、プラスチック基板上にエンボス加工を施した微細な溝を形成します。

その上にペロブスカイト層を塗布することで、低コストで大量生産が可能になるのです。

またこのように製造された「ソーラーフィルム」では、モジュールの一部が損傷しても全体的なパフォーマンスには影響しません。

では、このソーラーフィルムは主にどのように使用できるのでしょうか。

次ページソーラーフィルムは薄くて軽く持ち運びが簡単!次世代のクリーンエネルギー

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