「とあるAmazonの禁書目録」――実は見えない制限リストが存在か
「とあるAmazonの禁書目録」――実は見えない制限リストが存在か / Credit:Canva
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「とあるAmazonの禁書目録」――実は見えない制限リストが存在か (2/3)

2025.04.01 17:00:59 Tuesday

前ページ“在庫切れ”の裏側を暴く:Amazonが仕掛ける見えない検閲

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見えない検閲に震撼:Amazonが排除する書籍の実態とは

「とあるAmazonの禁書目録」――実は見えない制限リストが存在か
「とあるAmazonの禁書目録」――実は見えない制限リストが存在か / Figure 4は、実際のAmazon商品ページで、配送制限がかかっている出品オファーに対して表示される「配送不可」のメッセージがどのように見えるかを示す例です。 この画像では、ユーザーが商品詳細ページや「all offers display」画面にアクセスした際、各出品者のオファーの横に「この商品はご希望の配送先へは発送できません」という明確なメッセージが表示されています。 このメッセージは、単なる「在庫切れ」や「一時的に利用不可」といった曖昧な表現ではなく、配送そのものがシステム上で制限されていることを直接伝えています。 つまり、商品自体は在庫がある場合でも、選択された配送先には発送が許可されていない、という配送ブロックの存在を示しているのです。 また、この「配送不可」メッセージの表示方法は、Amazonがユーザーに対して実際の配送制限理由を隠蔽し、単に「利用できない」とだけ伝えることで、利用者が真の規制内容に気づきにくくしている可能性を示唆しています。 研究者たちは、このようなメッセージの不透明さが、Amazon内部で自動的に行われる配送制限の仕組みの一端であると考えており、Figure 4はその決定的な証拠の一つと位置付けられています。/Credit:Banned Books Analysis of Censorship on Amazon.com

研究チームは、まず「Amazonの商品ページを徹底的に網羅する」アプローチをとりました。

世界中のウェブページを定期的に保存するCommon Crawlという巨大アーカイブから、AmazonのASIN(商品ID入りURL)を何百万件も抽出。

その後、独自のプログラムを使い、アメリカのamazon.comで「配送先を別々の国に切り替えたうえで商品をカートに入れてみる」テストを自動で繰り返しました。

Amazonのページには「在庫切れ」と表示されていても、ほかの出品者が在庫を持っているケースがあるため、研究者たちは「all offers display」(出品者一覧)を呼び出し、一つずつ「カートに入れる」を試して検証。

もし複数の出品者が“在庫あり”なのに、すべてカート投入が拒否されるなら、単に在庫がないのではなく「配送ブロック」がかかっていると判断できます。

このテストを大規模に行った結果、17,050件以上の“配送不可アイテム”が確認されました。

書籍カテゴリーは特に多く、研究によれば約1.1%の書籍が何らかの制限を受けていると推計されます。 

一部は中東など宗教規範の厳しい地域でのブロックが目立ちましたが、内容とは無関係そうな商品まで誤分類でブロックされている事例も数多く見つかったのです。

たとえば「rainbow(虹色)」という語が入っているだけで実際にはただのキャンディ(Mentosの“レインボー”)が購入不可になっていたり、「Gay」という単語が含まれるだけで哲学書(ニーチェの著作)がブロック扱いされたりするケースもありました。

さらに、「food porn」という俗称で料理が弾かれたり、乳がん・母乳ケアに関する本までもが“性”や“ポルノ”と混同されているような事態も見受けられます。

本来は安全規制や技術的な理由(WiFi機器やチャイルドシートなど)での配送制限も存在しますが、こうした正当なカテゴリー以外に、宗教・性的要素と誤解されているジャンルがまとめて規制されているのが問題の核心といえます。

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