見えない検閲に震撼:Amazonが排除する書籍の実態とは

研究チームは、まず「Amazonの商品ページを徹底的に網羅する」アプローチをとりました。
世界中のウェブページを定期的に保存するCommon Crawlという巨大アーカイブから、AmazonのASIN(商品ID入りURL)を何百万件も抽出。
その後、独自のプログラムを使い、アメリカのamazon.comで「配送先を別々の国に切り替えたうえで商品をカートに入れてみる」テストを自動で繰り返しました。
Amazonのページには「在庫切れ」と表示されていても、ほかの出品者が在庫を持っているケースがあるため、研究者たちは「all offers display」(出品者一覧)を呼び出し、一つずつ「カートに入れる」を試して検証。
もし複数の出品者が“在庫あり”なのに、すべてカート投入が拒否されるなら、単に在庫がないのではなく「配送ブロック」がかかっていると判断できます。
このテストを大規模に行った結果、17,050件以上の“配送不可アイテム”が確認されました。
書籍カテゴリーは特に多く、研究によれば約1.1%の書籍が何らかの制限を受けていると推計されます。
一部は中東など宗教規範の厳しい地域でのブロックが目立ちましたが、内容とは無関係そうな商品まで誤分類でブロックされている事例も数多く見つかったのです。
たとえば「rainbow(虹色)」という語が入っているだけで実際にはただのキャンディ(Mentosの“レインボー”)が購入不可になっていたり、「Gay」という単語が含まれるだけで哲学書(ニーチェの著作)がブロック扱いされたりするケースもありました。
さらに、「food porn」という俗称で料理本が弾かれたり、乳がん・母乳ケアに関する本までもが“性”や“ポルノ”と混同されているような事態も見受けられます。
本来は安全規制や技術的な理由(WiFi機器やチャイルドシートなど)での配送制限も存在しますが、こうした正当なカテゴリー以外に、宗教・性的要素と誤解されているジャンルがまとめて規制されているのが問題の核心といえます。