世界最小のペースメーカーを開発

心臓病の治療に欠かせないペースメーカーですが、その使用にはいくつかの問題があります。
ペースメーカーは、心臓が正常に拍動しない場合に電気的な刺激を与えることで、心拍数を正常に保つ役割を果たします。
しかし従来のペースメーカーを取り付けるためには、心臓の表面に電極を縫い付け、ワイヤーを通して外部の機器と接続する必要がありました。
このため、手術後にはワイヤーの取り外しや外部機器の管理が必要になり、それぞれの作業において心臓を傷つけるリスクがあったのです。
この問題を解決するために、小型化されたワイヤレスのペースメーカーも開発されました。
これはペン先のキャップほどの大きさですが、ワイヤレス化には成功したものの、心臓への植え込みによる合併症のリスクが懸念されています。
そんな中、研究チームはワイヤレスかつ、これまでにない世界最小のペースメーカーの開発に成功しました。
こちらの画像の一番右がそれですが、サイズは米粒くらいしかありません。
幅がわずか1.8ミリ、長さが3.5ミリ、厚さが1ミリとなっていますが、それでもフルサイズのペースメーカーと同じくらいの刺激を提供できます。

この小型化により、ペースメーカーを注射器の先端に収めることができ、従来のような大がかりな移植手術は必要なく、注射器を通して心臓まで注入できるようになります。
この新型ペースメーカーは、患者の胸に装着される小さくて柔軟なワイヤレスのウェアラブルデバイスと組み合わせて使用されます。
ウェアラブルデバイスが心臓の不整脈を検出すると、自動的に赤外線光のパルスを発し、ペースメーカーを作動させるのです。
この短いパルスは、患者の皮膚、胸骨、筋肉を通過してペーシングを制御します。
ペースメーカーのオン・オフもウェアラブルデバイスで操作可能です。

さらにペースメーカーはバッテリーではなく、体内の生体液を利用して動作します。
生体液が電極に触れることで化学反応が起こり、電気的な刺激を心臓に与える仕組みです。
これにより、従来のバッテリーを使用した大きな機器の必要がなくなり、より小型で軽量なデバイスが実現しました。
では、この世界最小のペースメーカーはどのような患者を想定しているのでしょうか?