常識を覆すプロペラ2本のバイコプター
従来のクアッドコプターは、ドローン界の「完成された姿」と言われてきました。
それもそのはずで、4つのプロペラによる対称設計は抜群の安定性をもたらし、ホバリングや前後左右の移動を高精度で実現できるからです。
一方で、欠点も存在していました。
プロペラが多いために構造が複雑で、故障のリスクも高くなります。
また、サイズが大きくなることで、持ち運びや収納に不便さが伴います。
さらに、動作音が大きいため、静かな撮影環境には不向きでした。

これらの課題に挑んだのが、ZeroZero Robotics社です。
同社はこれまでにも、プロペラを機体内に格納した「Hover Camera」シリーズで注目を集めてきたスタートアップです。
今回の『Falcon Mini』では、2つのプロペラをV字に配置し、AI制御と可変チルト機構を融合することで、従来の4ローターと同等、あるいはそれ以上の飛行制御を可能にしました。
これにより、機体はわずか249gという超軽量化を達成しています。

さらに、折りたたみ式のウィング構造により、スマートフォンとほぼ同じ大きさに収まるコンパクトさも実現しています。
また動作音は62デシベルであり、48分間の充電で34分間の飛行が可能です。
そして何より注目できるのがプロペラが2つしかないとは思えない「抜群の安定感」です。