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AIがサーモンを管理する時代が到来 / Credit:Tidal AI
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【サーモン・ディストピア】AIがサーモン養殖を管理する時代が到来!いずれ人間も……!?

2025.04.10 20:00:34 Thursday

AIの進化を見ていると、ふとこんなことを考えたことはありませんか?

いつかAIが人間を管理する世界が来るのではないか

そんなSFのような未来を語るのは、もはやネット掲示板の陰謀論者だけではありません。

生成AIや顔認識、音声解析、脳波スキャンなど、AIの技術は驚異的なスピードで進化しています。

そして実は、人間よりも一足先に「AIに管理される日常」を送っている生き物たちがいるのです。

その代表格がサーモン(鮭)です。

近年、ノルウェーの海上ではAIによるサーモン養殖が始まっています。

これは単なる養殖技術の進化ではなく、「AIが生物を統治する社会」の予行演習とも言える光景です。

では、「生物がAIに管理される」とはどのようなことなのでしょうか。

そしてその先に、人類が管理される未来は本当にありうるのでしょうか。

This Alphabet Spin-off Brings “Fishal Recognition” to Aquaculture https://spectrum.ieee.org/aquaculture AI for the next generation of sustainable aquaculture https://www.tidalx.ai/en

従来のサーモン養殖の限界と「AIによる次世代サーモン養殖」

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サーモンは貴重なタンパク質源 / Credit:Canva

魚介類は世界の30億人にとって主要なタンパク質源であり、良質な脂質も含んでいます。

中でもサーモンは人々から愛されており、サーモン養殖も盛んに行われています。

そしてサーモンの飼料要求率はおよそ「1対1」です。

つまり、サーモンの体重を1kg増やすのに必要なエサの量は1kgです。

一方、ウシは1kgの体重増加のために8~12kgのエサを必要とします。

このことを考えると、私たちが欲するタンパク質量を満たすために、サーモン養殖がいかに効果的かが良く分かります。

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サーモン養殖 / Credit:Canva

では、従来のサーモン養殖はどのようなものでしょうか。

ノルウェーやチリなど、サーモン養殖が盛んな地域では、巨大な海上ネットの中に数千、時にはそれ以上のサーモンを放して育ててきました。

一見して効率の良い方法に見えますが、そこには多くの問題が潜んでいました。

たとえば、密集した環境ではウイルスや寄生虫の蔓延を防ぎにくく、病気が広がりやすくなります。

また、サーモンがどれだけ餌を食べたかを正確に把握できず、餌を過剰に与えることによって海が汚染されることもあります。

さらに、健康な個体と弱った個体が混在することで管理が難しくなり、出荷の効率も低下してしまいます。

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AIがサーモン1匹1匹を管理する / Credit:Tidal AI

こうした課題を解決するために登場したのが、企業「Tidal AI」です。

Tidal AI社は「魚の健康と海の未来を守る」というミッションのもと、AIとコンピュータービジョンを駆使して、サーモンを個別に監視・管理するシステムを開発しました。

これにより「どれだけ餌を食べたのか」「ストレスの兆候があるか」などを把握する、かつてない精度のモニタリングが可能となったのです。

Tidalのシステムはすでに大規模なサーモン養殖をリアルタイムで管理しており、複数の養殖業者と提携して導入が進められています。

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