“諸刃のYES”を味方につける条件

この研究は、横断的な調査ということもあり因果関係を断定するわけではないものの、「望まない同意」がまさに「諸刃の剣」であることをデータから示唆しました。
重要なのは、同意の背後にある動機やパートナーとの関係性だといえます。
研究チームは「望まない同意」のポジティブな結果を最も強く予測したのはアプローチ動機で、ネガティブな結果の最も強い予測因子はパートナーによる強要経験と性的苦痛だった、と結論づけています。
男性と女性でわずかな差異はありましたが、個々の効果は小さいものでした。
これらの知見は、性的欲求のズレで悩むカップルや、そうしたケースに携わる臨床家が焦点を絞るうえで大いに役立つでしょう。
もし相手への思いやりや絆づくりといったプラス志向の理由であれば、片方がその時乗り気でなくても、それほど深刻な悪影響には至らず、むしろ2人の関係を良好にするきっかけとなり得ます。
しかし「断りづらい」「言い出せない」といった回避動機ばかりが原因で繰り返し応じている場合や、実質的にプレッシャーがあって強要されているような場合には注意が必要です。
慢性化すると、当人の心身をむしばむだけでなく、相互の信頼関係を大きく損なうリスクがあります。
今回の知見は実務の現場にも応用可能です。
セックスに関するカウンセリングや夫婦療法の場面で、専門家(セラピストや医師など)は「望まない同意」の頻度や動機、そこから生じている感情を掘り下げることで、その裏にあるコミュニケーション不足やトラウマ、自己主張の難しさなどを見極めやすくなるでしょう。
場合によっては、相手の強要傾向や性的な痛み・トラウマの有無を慎重に確認し、必要ならば専門的な対処を検討することも大切です。
文化が異なる地域では感じ方や背景要因が変わる可能性がありますが、「欲求のないままセックスに合意する」現象はどこでも起こり得るものです。
フィンランドという環境下でのデータではありますが、「同意する理由と伝え方が、同じ行動を明と暗に分ける」というメッセージは、多くのカップルや支援者にとっても参考になるのではないでしょうか。
何故メイドコスなのか、それは人類に残された最大の謎である。
独身彼女なしの僕にとっていい勉強になりました。また不要な知識が増えて感謝しております。ありがとうございます。
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