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あるはずのないニオイを嗅いでしまう謎の「幻臭」現象、年齢が上がるほど起こると判明

2018.08.17 Friday

Point
・アメリカでは40歳以上の15人に1人が、そこに無いもののニオイを感じる「幻臭」を嗅いだ経験がある
・幻臭を嗅いだ経験のある人には、「生活の質が低い」などいくつかの傾向がみられた
・その原因については「嗅覚の過剰反応」などが考えられるが、はっきりとはわかっていない

そこにあるはずのない「ニオイ」を感じる「幻臭」を体験したことがありますか?

最新の研究により、40歳以上のアメリカ人のおよそ15人に1人(6.5%)が「幻臭」を経験していたことがわかりました。

Factors Associated With Phantom Odor Perception Among US Adults
https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/article-abstract/2696525

データは7,417人の被験者の協力によるもので、決して多い人数ではありませんが、一定の人が確かに「嗅ぐはずのないニオイ」を体験していました。この結果について、研究を実施した “NIDCD” のジュディス・クーパー博士は次のように語っています。

「非常に重要な五感の一つであるにもかかわらず、嗅覚の問題については見落とされがちです。嗅覚は、食欲や食の好みに影響を与えるだけでなく、ガス漏れや腐った食べ物などの『危険』を察知するといった大きな役割を担っています」

また、幻臭を嗅いだ経験のある人の特徴を調べるため、被験者の年齢、性別、教育水準、人種・民族、社会経済的な地位、習慣、健康状態についての情報が集められました。

その結果から、研究チームの一員であるバーモント大学メディカルセンターのドナルド・レオポルド博士は、強い「幻臭」を経験した人の多くが、日常において悲惨な生活を送っていたことを指摘。中には健康的な体重を維持することができていない人がいたことを報告しました。

また通常、嗅覚は年齢とともに衰えていきますが、「幻臭」に関しては、年齢の増加とともに、幻臭を経験する可能性も上がっていったという逆の相関関係を示しています。

このように「幻臭」には、人の特徴により一定の傾向があったのは確かですが、その原因についてははっきりとわかっていません。嗅覚の過剰反応かもしれませんし、脳の嗅覚を処理する領域が機能不全を起こしている可能性もあります。

いずれにせよ、原因が分からない限りはその対策は不可能。「幻覚」や「幻聴」とは異なり、あまり耳慣れない「幻臭」ですが、ありもしない「ニオイ」に苦しむ人々のためにも、さらなる研究が求められています。

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via: medicalxpress / translated & text by なかしー

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