ストレスへの反応、男女でこんなに違う?
この研究では、ストレスによるリスク選好の変化が男性と女性で異なることも明らかになりました。
まず、男性はストレスを受けると、「損失を避けたい」という感覚が著しく鈍くなり、より大胆なリスクを取る傾向が強まりました。
さらに、結果の確率を冷静に評価する力も低下し、「どうにかなるだろう」と楽観的になってしまうようです。
一方、女性はというと、リスクをとる傾向は高まったものの、損失回避への感覚はそこまで鈍くならず、判断自体にはある程度の慎重さが保たれていました。
興味深いのは、女性のほうが「この選択をすると、どうなるか」を予測する力が高かったという点です。
ただし、ストレスによって選択の「一貫性」は女性のほうが低下しやすく、直感に頼ったり、迷ったりすることが多くなる傾向も見られました。
研究者たちは、この違いが進化の過程に根ざしている可能性があると指摘しています。
たとえば、危険から逃れる必要がある状況では、男性は大胆な選択で突破口を探し、女性はより現実的な損得の見通しを立てて行動するというような戦略的な分業があったのかもしれません。
ただこの点に関しては、今後の調査が必要です。

現代社会では、ストレスが私たちの日常に常に影を落としています。
しかし、ストレスを感じているときほど、私たちの判断力は“歪み”やすいことを、今回の研究は示しています。
「今日はなんだかイライラしてるな」「ちょっと冷静じゃないかも」と感じたときには、思い切った大きな決断を一晩寝かせてみるのも一つの知恵かもしれません。
原著を読まずに書いてますが、被検者にどういう方法でストレスをかけたんですか?
あと、判断力が歪んでいるのに「ちょっと冷静じゃないかも」とか気づいて決断を保留できるスーパー人類は判断を誤らないと思います。
スーパー人類(?)かはともかく、心がけが重要なのではないでしょうか。