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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
health

ある体質の人は「夜にチーズを食べると悪夢を見る」可能性が高まる

2025.07.02 23:00:10 Wednesday

夜間にチーズを食べてから寝たとき、奇妙な夢や不気味な悪夢を見たことはありませんか?

「そんなの迷信だ」と思うかもしれませんが、最新の研究によって、この現象には科学的な裏付けがある可能性が示されました。

カナダ・モントリオール大学(University of Montreal)により、「ある体質」を持つ人が夜にチーズなどの乳製品を摂ると、悪夢を見るリスクが高まることが明らかになりました。

つまり、夜のチーズが“悪夢スイッチ”になるかもしれないのです。

研究の詳細は2025年7月1日付で科学雑誌『Frontiers in Psychology』に掲載されています。

Cheese may really be giving you nightmares, scientists find https://medicalxpress.com/news/2025-06-cheese-nightmares-scientists.html
More dreams of the rarebit fiend: food sensitivity and dietary correlates of sleep and dreaming https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1544475

チーズで悪夢を見る?鍵は「乳糖不耐症」

この研究は、カナダの大学に通う1,000人以上の学生を対象に行われました。

調査では、参加者の食生活、睡眠の質、夢の頻度や内容、さらには乳糖不耐症や食物アレルギーの有無などが詳細に記録されました。

その結果、全体の約40%が「特定の食べ物や夜遅い食事が睡眠に影響する」と回答しており、特に甘いもの、辛いもの、そして乳製品が「眠りを悪化させる」と感じている人が多いことが分かりました。

さらに、全体の5.5%の人が「食べ物が夢の内容に影響を与える」と報告しており、そのうち最も多く挙げられたのがデザート(甘いお菓子)とチーズなどの乳製品でした。

これらは夢をより不気味に、奇妙に、あるいは不快にする傾向があったというのです。

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Credit: canva

とくに注目すべきは、「乳糖不耐症」を持つ人々が、睡眠の質の低下や悪夢の頻度の増加と強く関連していた点です。

乳糖不耐症とは、乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を体内で十分に分解できない体質のことで、腹痛や膨満感、ガスなどの胃腸症状を引き起こします。

乳糖不耐症がある人は、牛乳を飲むとお腹を下しやすいです。

この研究では、乳糖不耐症のある人々において、胃腸の不快感が睡眠中に悪影響を与え、それが悪夢の原因になる可能性があることが統計的に確認されました。

つまり、夜に乳製品を摂ると、腸の不快感が夢に“侵入”し、脳がそれを不安や恐怖のイメージとして再構成している可能性があるのです。

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