『酔い方タイプ』が分かれば病気や依存症も防げる

今回の研究によって、日本人の「お酒の酔い方」は大きく3つのタイプに分かれ、その違いが遺伝子によって決まっていることが科学的に示されました。
お酒に強いか弱いか、ということはよく話題になりますが、これまでは漠然と「体質の違い」と説明されることがほとんどでした。
しかし今回の研究では、そうした曖昧な説明をよりはっきりと具体化することができました。
また興味深いことに、アルコール摂取後の「時間経過」によって、影響を及ぼす遺伝子が入れ替わる現象も見つかりました。
飲んだ直後はALDH2のタイプによる影響が強く出ますが、数時間経つと、ADH1Bのタイプの違いが徐々に重要になってきます。
つまり、「酔い方」には瞬間的な反応だけでなく、飲んでからしばらく経った後の状態も遺伝子によって左右されているのです。
この発見は、単にお酒に強い弱いを分類するだけでなく、「酔い方」の時間的な変化や特徴を把握する上でも画期的なものと言えるでしょう。
さらに研究チームは、他の遺伝子(ALDH1A1、ALDH1B1、GCKR)についても調べました。
これらは近年、飲酒習慣との関連が指摘されていた遺伝子ですが、今回の研究では特に目立った影響は見られず、酔い方のタイプ分けにおける役割は限られたものでした。
今回の研究成果を応用すると、将来的には自分の遺伝子タイプを調べるだけで、「どの程度の飲酒で体にどのような影響が出るか」を予測できるようになるかもしれません。
これによってアルコールに関連した病気や依存症のリスクを早期に発見したり、防ぐためのアドバイスをしたりすることが可能になるでしょう。
自分のお酒の強さを知っておくことは、健康管理や上手なお酒との付き合い方にも大きな意味を持ちます。
「すぐ酔うから安心」あるいは「酔わないから安心」と安易に考えるのではなく、それぞれのタイプに特有の健康リスクがあることを意識することが重要です。
さて、あなたは自分がどの「酔い方タイプ」に当てはまると思いますか?
少し時間を置いてからガツンとくるタイプですね。
フランベした調理酒やビール酵母でも二日酔いできる才能の持ち主ですから。
ビール酵母で酔える人ってかなり珍しいと思うんですよ、だってあれ反応しきったやつを使いますからね。