物心ついたときからスマホがある10代若者の「ながら運転」傾向を調査
近年、道路上での「ながら運転」が大きな社会問題となっています。
特に、運転経験が浅い10代の若者たちがスマートフォンを使用しながら運転することは、事故のリスクを著しく高めると指摘されてきました。
彼らの世代にとってスマホは生まれた時、もしくは幼少期から存在する「日常」であり「切り離せないもの」かもしれません。
しかし、具体的にどの程度の時間スマホに注意を奪われているのか、その実態はあまり知られていませんでした。

こうした背景のもと、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究チームは、米国各地の高校生を対象に大規模な調査を実施しました。
調査は2段階に分かれて行われ、第一段階では20名の高校生に対して「ある程度の質問項目は決まっているが、自由に意見を引き出せる柔軟なインタビュー(半構造化インタビュー)」を実施しました。
参加者には、運転中のスマホ使用について、自分自身の行動やその理由、周囲の影響などを自由に語ってもらいました。
次に、インタビューで得られた結果をもとに、スマホ使用に関する信念や態度、社会的規範、行動制御などを測定する38項目の質問票を作成。
これを全米1,126名の高校生ドライバーに配布し、彼らの運転中のスマホ使用実態と心理的傾向を統計的に分析しました。