寝ている間に脳が「お気に入りの記憶」を優先で再生していることが判明
寝ている間に脳が「お気に入りの記憶」を優先で再生していることが判明 / Credit:Canva
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寝ている間に脳が「お気に入りの記憶」を優先で再生していることが判明 (3/3)

2025.07.09 21:00:02 Wednesday

前ページ勝ったゲームの記憶だけが脳でリピートされる

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「気持ちよく眠る」が学習効率アップの秘訣に

「気持ちよく眠る」が学習効率アップの秘訣に
「気持ちよく眠る」が学習効率アップの秘訣に / 記憶の内容に対するポジティブな印象は睡眠中の追体験数を増やし記憶力を増強する / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

今回の研究によって、「は睡眠中に気持ちの良い経験を特別に選んで繰り返し再生し、その記憶を強化している」可能性が示されました。

脳は私たちが眠っている間にもこっそりと、その日にあった「楽しかったこと」や「達成感のあったこと」を選び、まるでお気に入りのテレビ番組を何度も見返すように再生していたのです。

研究チームは、この仕組みを「報酬(ごほうび)のタグ付け」と表現しています。

さらに興味深いのは、記憶の形成に重要な役割を果たす脳内の「海馬」と、快感を感じる「腹側被蓋野(VTA)」が、睡眠中に互いに協力し合っていたという点です。

つまり、ポジティブな記憶はただ漠然と再生されるだけではなく、「嬉しい」「楽しい」といった感情とともに脳に深く刻まれている可能性があるのです。

こうした仕組みを活かせば、私たちの学習方法や仕事の効率化に役立つ新たなアイデアが生まれるかもしれません。

例えば、苦手なことを無理に詰め込んで嫌な気持ちのまま眠りにつくよりも、まず得意な科目や簡単なタスクを行って達成感や満足感を得てから眠る方が、効率よく記憶が定着することが期待できます。

昔から「好きこそものの上手なれ」と言いますが、これは単に気持ちの問題ではなく、脳科学によっても裏付けられる現象だったというわけです。

また、今回の研究は、現代社会の睡眠問題についても新しいヒントを与えています。

最近は睡眠不足が社会的な問題となっていますが、重要なのは単に睡眠時間を増やすことだけではないかもしれません。

眠る前の心の状態を意識して、「気持ちよく眠る」ことが、より質の高い睡眠と、翌日の学習や仕事のパフォーマンス向上につながる可能性があるのです。

さらなる研究が進めば、この成果は学校や職場での教育・訓練方法の改善や、ストレス社会における心の健康(メンタルヘルス)ケアにも役立つ画期的な知見になるかもしれません。

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寝ている間に脳が「お気に入りの記憶」を優先で再生していることが判明 (3/3)のコメント

ゲスト

お気に入りのキャラ同士のエッチなシーンを想像しながら寝ている私の話ですか?
起きた後も長い時は二時間ほどその状態で布団の中から出ないまま過ごしていますよ。
確かに気分はいいですね。

ゲスト

個人差あるでしょ
ネガティブなやつは悪い印象の記憶を定着させてるとしか思えないけどな

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