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「爬虫類は何を考えているの?」カメの“気分”を測った世界初の実験 (2/2)

2025.07.19 12:00:21 Saturday

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「楽観的なカメ」は新しいものにも前向きだった――行動に表れた“気分”と“不安”のつながり

では実際に、カメたちはどのような反応を見せたのでしょうか。

まず、認知バイアス課題の結果では、15匹のアカアシガメのうち多くが、あいまいな位置に置かれたボウルに対しても、ある程度自信をもって近づいていく傾向を示しました。

とくに、ポジティブな位置(エサがある場所)に近い側に置かれたボウルには、より早く反応する個体が多く、ネガティブな側ではためらう個体が目立ちました。

これは、カメたちがエサのあるなしを正しく学習しているだけでなく、あいまいな状況に対して「楽観的」か「悲観的」かの傾向が現れていることを意味します。

次に、同じ個体について実施した「新奇物体テスト(見慣れない物体テスト)」と「新奇環境テスト(見慣れない環境テスト)」でも、個体ごとに明確な違いが見られました。

あるカメは、新しい物体にすぐに近づき、首を大きく伸ばして積極的に探索しようとしました。一方で、別のカメは長時間その場にとどまり、周囲の変化に対して慎重に反応していました。

Credit:OpenAI,ナゾロジー編集部

研究チームはこれら3つのテスト結果を統計的に分析し、認知バイアス課題で“楽観的”な判断をしたカメほど、新奇テストでもより早く動き出し、首を大きく伸ばすなど積極的な行動をとる傾向があることを確認しました。

つまり、「気分が前向きなカメ」は「新しい環境にも自信をもって反応する」という対応関係が観察されたのです。

この結果は、アカアシガメにも我々と同じような「気分」があり、それが判断のしかた(楽観的・悲観的)だけでなく、不安の強さや行動にも影響を及ぼしていることを示唆しています。

これまで爬虫類は、「感情や気分が乏しい動物」と見なされがちでした。しかし今回の研究は、その思い込みを覆す重要な証拠になったといえるでしょう。

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「爬虫類は何を考えているの?」カメの“気分”を測った世界初の実験 (2/2)のコメント

ひの

気分というのは同じ個体の中でも時とともに変化する内的状態を指すと思うのだが…。
楽観的か悲観的かの程度に個体差があるということなら、「気分」よりも「性格」のほうが適当な表現ではないかと思う。
元論文にどう書かれていたのかまで確かめる気にはならないけれど。

ゲスト

飼い主「この子なに考えてるのかな…。」
亀さん「こいつ食ったらうまいのかな…。でもでかいから狩るのに苦労しそうだ…。」
やたら蚊に刺される私としてはこういう感じですね。

C:。ミ

亀たちがみんなそうとは思えんがなぁ

ゲスト

確かに家の亀もここに来ると餌がもらえるとわかってうるので合図を送ると行動、と目の位置が真っ正面を向く。
期待してるというのは分かる。
顔もなんか嬉しそうだよ。(笑

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