ポルトガルで500年ぶりにビーバーが復活!今後の対策とは?

2025年6月、環境保護団体「Rewilding Portugal(リワイルディング・ポルトガル)」が、ポルトガル領内でヨーロッパビーバーの存在を確認したと発表しました。
実はビーバーが再びポルトガルに現れたのは、スペイン側からの”分散”によるものでした。
この20年間、スペイン国内ではビーバーの保護と再導入プログラムが進められてきました。
特にドゥエロ川流域の国立公園では個体数が安定し、2023年にはすでに「国境から150メートル圏内」にまで接近していたことが報告されていました。
そしてついに2025年、ポルトガル領内で正式な痕跡とカメラ映像によって、存在が確認されたのです。
スペインで増加したビーバーたちがポルトガルにもやってきたのです。
この発見は、Rewilding Portugalが長年にわたって行ってきた監視活動の成果でもあります。
彼らは以前から「ビーバーが自然に渡ってくるのは時間の問題」と主張しており、地域社会や行政機関に対して共存の準備を呼びかけていました。

ポルトガルにビーバーが復活したことで、考慮すべきことも出てきます。
ビーバーのダムは時に農地の浸水やインフラの損傷といった問題も引き起こします。
実際、ドイツやフランス、スイスなどの国々では、農家とビーバーの共存をめぐる摩擦が生まれており、様々な対策が行われています。
ポルトガルでも、こうした対策を「問題が起きてから」ではなく「事前に準備しておくこと」が重要になります。
その一歩として、今年の秋に開催される第2回Rewilding会議では、ビーバーの共存策が大きなテーマとなる予定です。
自然の恩恵を受けつつ、人間の暮らしとの摩擦を最小限に抑えるためには、科学と地域社会の対話が不可欠です。
500年という空白の期間経て、ようやくビーバーがポルトガルの地に帰ってきたという報告は、非常に喜ばしいものです。
もしかしたら、私たちが暮らす地域でも、粘り強く環境を改善していくことで、かつて消えてしまった生き物たちが復活の兆しを見せてくれるかもしれません。
スペインが助けたのですか、本当につながりの深い国ですね。