「置き換え」でリスクを下げる
今回の研究では、ジャガイモの代替として全粒穀物を積極的に取り入れることの有効性も浮き彫りになりました。
たとえば、茹で・焼き・マッシュポテトを全粒穀物に置き換えた場合、2型糖尿病リスクは約4%低下することが示されています。
これらの効果は、炭水化物の「質の違い」によって説明できます。
全粒穀物には、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、血糖値の急上昇を抑える「低GI食品」として知られています。
反対に、フライドポテトや精製された白米・白パンは「高GI食品」で、血糖コントロールに負担をかけがちです。

さらに興味深いことに、研究では「精製穀物でもフライドポテトよりは糖尿病リスクが低い傾向にあった」ことも報告されています。
ただし、この場合でも最もリスク低下が期待できるのは全粒穀物であると明確にされています。
筆頭著者のセイエド・モハンマド・ムーサヴィ(Seyed Mohammad Mousavi)博士は「『ジャガイモは体に悪いのか?』という単純な議論ではなく、『どのように調理し、何と置き換えるか』を考えるべき」と語っています。