世界中で共通する「自分で決めたい」傾向
分析の結果、一貫したパターンが浮かび上がりました。
それは、文化や言語を問わず、人は「自分で決めたい」という傾向を強く持っているということです。
最も好まれたスタイルは「熟慮」で、次点は「直感」でした。
多くの人が熟考にせよ、直観にせよ、他人に頼らず自分で考えて決めることを選んだのです。
一方、他者のアドバイスを受け入れる人の割合は、「友人の助言」で9〜22%、「群衆の知恵」は2〜12%と、圧倒的に少数派でした。
ちなみに、先住民族でも自己完結型のスタイルが優勢であることが確認されました。
これは「自己依存」が、特定の文化に偏った傾向ではなく、人類普遍的な意思決定のクセであることを示唆しています。
なぜ人は助言を避けがちなのでしょうか?
心理学的には、自分の意見が最も正しいと思い込む傾向や、助言を受けた場合に失敗したときの後悔を避けたい心理があるとされます。
文化的にも「他人に頼るのは弱さ」という価値観が根付いていることが多く、さらに、「人を助けるべきか仕事に送れないことを選ぶべきか」という社会的ジレンマの場面では「相談することで利己的に見られる」ことを恐れる傾向も見られました。
一方で興味深いのは、「自分の文化の中でどれが一般的だと考えられているか」という問いに対しては、「友人の助言」も自己完結型の選択と同じくらいよく選ばれているだろうと予測される傾向があったことです。
これは、人々の内心にある理想と、周囲に対して持っている社会的な期待との間にズレが存在することを示唆しています。
この研究にも限界はあります。
調査は仮想シナリオに基づいており、実際の行動とは異なる可能性があります。
また、参加者は国を代表するような無作為抽出ではなく、便宜的なサンプル(学生や地域住民など)である点にも留意が必要です。
しかし、それでもこの研究は、意思決定における「自己完結型思考」が文化を超えて見られることを示した、極めて重要な成果です。
研究チームは、こうした傾向を前提にした上で、今後の組織設計や教育、医療、ビジネスに活かすべきだと提言しています。
そして次のようにも述べています。
「人はまず内省から始めますが、最も賢い判断は、そのように一人で考えたことを他者と共有したときに生まれるかもしれません」
他人からのアドバイスは貴重です。
だからこそ、自分の中に「自分だけで決めたい」という傾向があることを認め、そのことと向き合いつつ、誰かにアドバイスを求める姿勢を意識すると良いでしょう。
道徳は周囲の同意、倫理は個人の同意というのを思い出しました。人間は集団行動をする生物であるのに矛盾しているように見えて面白いですね。
他人の意見で動くのならそこに自分がいる必要ってないからでしょう。
人はロボットではないですからね、社会で生活してるとロボットだと思ってしまいますけど。
そのロボットだって人工知能になると自分の意志っぽいものを持ってそれに従うようになるわけでして。
んー確かにその通りだな
非論理的ではある
それが今我々の思考パターンであるなら、それが進化論的には適応的だったのかな