どこを回っている?“環と月のあいだ”の空間
S/2025 U1は、天王星中心から約5万6000キロメートルの距離で、公転面は天王星特有の“横倒し”の赤道面にほぼ一致します。
軌道はほぼ円形で、現在の場所の近くで生まれた可能性を示しています。
位置関係でいうと、主環のすぐ外を回る衛星オフィーリア(Ophelia)と、その内側を回るビアンカ(Bianca)にちょうど挟まれる“すき間”が居場所です。
この“内側の小衛星帯”は、ミランダ(Miranda)、アリエル(Ariel)、ウンブリエル(Umbriel)、チタニア(Titania)、オベロン(Oberon)といった小さな月々から成り、S/2025 U1はその14番目のメンバーになります。
こうした小衛星たちは環と重力的にからみ合い、互いに軌道をわずかに揺さぶりながら、環物質を受け取ったり与えたりする可能性があります。
なお、新しい衛星の正式名称は今後、国際天文学連合(IAU)の承認を経て決まります。
天王星の衛星は伝統的にウィリアム・シェイクスピアやアレクサンダー・ポープの作品の登場人物にちなむため、今回も詩的な名が与えられる見込みです。