なぜこれほどまでに干上がったのか? 影響はどこまで広がるのか?
今回の研究が特に注目された理由は、「なぜここまで急激に干上がってしまったのか」という問いへの答えです。
ガンジス川の流量は、もともと「モンスーン」と呼ばれる夏の雨季に大きく左右されます。
しかし近年は、この夏のモンスーンが大きく弱まり、その影響で川の水量が激減していることが判明しました。
研究者たちは、モンスーンの弱体化の背後に「人間活動がもたらすインド洋の温暖化」や「工場や車、発電所などから排出されるエアロゾル(微粒子)」といった要素が深く関与していると分析しています。
これらの微粒子は雨を抑制し、結果的にガンジス川の水量減少を加速させているのです。
さらに驚くべきことに、世界で使われている多くの気候モデルは、このような深刻な干上がりを正確に予測できていませんでした。
つまり「これまでの常識」や「過去の気候変動の枠組み」では説明できない、まったく新しいレベルの危機がガンジス川を襲っているのです。
このままガンジス川の干上がりが続けば、飲み水の供給や農業生産、工業活動だけでなく、野生動物や生態系にも甚大な影響が及ぶことが懸念されます。
人口多いから水を外国から仕入れても量が多すぎて周りまで水不足なりそう