画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
animals plants

オタマジャクシの時期がない「新種のカエル」を発見

2025.11.07 22:00:25 Friday

「カエルは卵からオタマジャクシになり、そして4つ足の大人になる」

カエルの一生については、多くの人がこのように思っているでしょう。

しかし地球上には、このプロセスから逸脱するカエルがいるのです。

このほど、アフリカ・タンザニアで、オタマジャクシの時期を飛ばして「いきなり小さなカエル」として誕生する新種が発見されました。

研究の詳細はデンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)らにより、2025年11月6日付で科学雑誌『 Vertebrate Zoology』に掲載されています。

New species of toads that give birth to live young discovered in Tanzania https://www.nhm.ac.uk/discover/news/2025/november/new-species-of-toads-that-birth-live-young.html
Museomics and integrative taxonomy reveal three new species of glandular viviparous tree toads (Nectophrynoides) in Tanzania’s Eastern Arc Mountains (Anura: Bufonidae) https://vertebrate-zoology.arphahub.com/article/167008/

オタマジャクシの時期がない新種カエル

今回、科学者たちが注目したのは、タンザニアとケニアにまたがる「イースタン・アーク山脈」と呼ばれる山岳地帯です。

この山々は、数百万年にわたり孤立した環境が続いたことで、動植物の宝庫となっています。

まるで「空に浮かぶ島々」のように、それぞれの山頂で独自の進化が起きてきました。

発見された新種たちは「Nectophrynoides(ネクトフリノイデス)」属のカエル

最大の特徴は、ほかのカエルのように卵を水中に産み、オタマジャクシになるというステップを経ず、メスの体内で幼いカエルの姿まで育ち、そのまま“赤ちゃんカエル”として産まれてくることです。

【発見された新種の画像がこちら

この属のカエルたちは元々、1905年に記載された1種だけと考えられてきました。

しかし近年、世界中の博物館に眠る標本をDNAレベルで調べ直す研究が進み、見た目がそっくりでも実は異なる“隠れ新種”が次々と明らかになってきたのです。

最新の研究では、100年以上前の標本を含む250体超からDNAを解析し、形態や鳴き声の違いも比べることで「Nectophrynoides saliensis」「Nectophrynoides uhehe」「Nectophrynoides luhomeroensis」という3種の新種が正式に認定されました。

次ページなぜオタマジャクシをすっ飛ばすのか?

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!