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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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史上初、互いに周回する「2つのブラックホール」の撮影に成功 (2/2)

2025.10.10 12:00:01 Friday

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2つのブラックホールが見えた!

それでも、ブラックホール同士が重なって見えたり、ジェットの方向が複雑にねじれていたりと、「2つ」を画像として分離して捉えるのは“ほぼ不可能”だと思われてきました。

この壁を打ち破ったのが、ロシアの宇宙電波望遠鏡「RadioAstron」と、地上の巨大アンテナを連携させた“地球スケール”の電波干渉計技術です。

チームはこれらの観測システムを駆使して、史上最高の解像度でOJ 287の中心を撮影し、1つの点にしか見えなかったはずの中心部に“2つの明るいジェット源”を発見しました。

解析の結果、片方は予想通り「主ブラックホール」から出ているジェット。

そしてもう片方は、公転する「相棒ブラックホール」から噴き出すジェットであることが判明したのです。

【観測されたブラックホールペアの画像がこちら

このジェットは、相棒ブラックホールが動くことで進行方向が次々と変わり、理論計算どおり“尻尾を振るような軌跡”を描いていました。

さらに、相棒ブラックホールのジェットは主ブラックホールに比べて、

・スピードが遅い(秒速で見ても1/4程度)

・磁場が強い

・明るさのピークがより高い周波数にある

という特徴もピッタリ理論と一致していました。

これにより「2つのブラックホールが互いの周りを回り、しかも両方からジェットが噴き出している」というモデルが、観測画像で初めて実証されたのです。

チームは今後、さらなる高解像度での電波観測や新しい望遠鏡によって、2つのブラックホールの詳細を明らかにしていく予定です。

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史上初、互いに周回する「2つのブラックホール」の撮影に成功 (2/2)のコメント

葉山進

宇宙現象の解明は日常生活には全く関係ない。人間の好奇心のみが原動力です。しかしながら、人類を考える葦とパスカルが述べたように、食べて寝るだけでは人間は満足しない。好奇心や新しいチャレンジこそ生きる力となります。

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