アマゾンの古い木々は、CO2増加に伴って年々太くなっている
では、この30年でアマゾンの木々には何が起きていたのでしょうか?
研究の結果、アマゾン全域の木の「平均的な太さ(幹断面積)」は10年ごとに約3.3%増加していました。
特に注目すべきは、幹の直径が40センチを超えるような巨大な大木は、10年ごとに約5.8%というさらに速いペースで太くなっていたということです。
こうした変化はアマゾン全域で一貫して観察され、森全体で「ごく一部の巨大な木が主役となる」構造へとシフトしていることがわかりました。
この「太り続ける」現象の主な要因は大気中のCO2増加だと考えられます。
CO2が増えることで、木は同じだけの光を受けていても、より効率よく光合成し、成長できるようになります。
この影響は、大木にも、暗い林床で生きる小木にも現れ、「大木がより有利になる」効果と、「小木も生き残りやすくなる」効果が同時に起きていることが示されました。
気候変動による高温や干ばつが「大木を先に殺す」という仮説もありましたが、少なくともこの観測期間では、大木の死亡率が増える兆候は見られませんでした。
特に、大木は全体の炭素吸収量の多くを担っていることが、これまでの研究でも指摘されてきました。
研究チームも、「最も大きな1%の木々が、森林が貯蔵・吸収する炭素量の約半分を占めている」と述べています。
ただし、アマゾンの巨大な木々が太くなる傾向が未来永劫続く保証はありません。
木がCO2を取り込み成長できるのは、土壌にリンやカリウム、カルシウムなどの栄養分が十分あることが前提です。
アマゾンでは植物、微生物、菌類、昆虫などあらゆる生物が同じ資源をめぐって競争しており、今後栄養分の限界でCO2効果が頭打ちになる、あるいは逆転するリスクも指摘されています。
さらに、「大木」はたとえ森を再生して植え直しても、すぐには戻りません。
古い森の大木は数百年も生きてており、一度失えば、再植林しても、同じ炭素吸収力や生物多様性を短期間で取り戻すことはできないのです。
この研究は、「成熟したアマゾンの原生林を守ること」がいかに地球温暖化対策にとって不可欠か、そして私たちの世代で失えば二度と戻らない価値がそこにあることを改めて示しています。
アマゾンの森は、気候変動にも負けず、CO2増加のもとで“太り続けて”きましたが、永遠ではありません。
古い森を守ることこそが、地球の未来を守るためにも欠かせないのです。


























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記事を読んで理解が進まないことを疑問形で書き出します。
環境学の教科書で「CO2の循環は海がバッファになっていて、近年は捌ききれなくて海水のpHが下がってきている・・」なんて説明されてますが、陸上の森林も幹を太らせることでCO2吸収に頑張っているとすると、短期的なCO2循環のフローの数値も見直しが実用なんでしょうか?
また、生理生態学の教科書には、「植物の光合成速度の制限要因はCO2濃度」とあります。しかし産業革命以降に大気CO2濃度が右肩上がりに上昇してきたのに、世界中の草本植物群落の構成や遷移(しいては景観)に、目立つような変化はないように見えます。木本も幹が太るだけで、樹種の構成などに変化はないのでしょうか。それとも、実験室の環境と比べてリアルな自然環境では、より種間競争に響く制限要因は異なってくるのでしょうか?
ナゾロジーは他のニュースと違って
見ていてもあまり害がない