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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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犬種の6割に「オオカミのDNA」が残っていると判明 (2/2)

2025.11.26 22:00:51 Wednesday

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オオカミDNAが性格にも影響?

では、このわずかなオオカミDNAは、実際に犬の姿かたちや性格に影響しているのでしょうか。

解析によると、オオカミの祖先を多く持つ犬種は、全体としては体が大きい傾向があり、北極圏のソリ犬や、一部の狩猟犬、「パリア犬」と呼ばれる半野生的な犬種など、特定の仕事のために繁殖されてきたグループで高い値を示しました。

チームは、犬種ごとの性格を説明する際に用いる言葉と、オオカミDNAの量も比較しています。

その結果、オオカミDNAが少ない犬種では「フレンドリー」「従順」「訓練しやすい」「快活」「愛情深い」といった表現が多く使われていました。

一方、オオカミDNAが多い犬種は「見知らぬ人を警戒する」「独立心が強い」「威厳がある」「警戒心が強い」「忠実」「控えめ」「縄張り意識が強い」といった言葉で語られることが多かったといいます。

ただし、研究者たちは「これはあくまで犬種の一般的なイメージに基づく主観的な評価であり、オオカミの遺伝子が直接こうした性格を決めていると断定することはできない」と強調しています。

「賢い」「従順」「子どもに優しい」「献身的」「落ち着いている」「陽気」といった表現は、オオカミDNAの多い犬種・少ない犬種のどちらにも同じくらいの頻度で現れており、単純な線引きはできません。

研究者は「犬は私たちの相棒ですが、その姿を形作ってきた大きな一因はオオカミなのかもしれません」と述べます。

長い歴史の中で、犬は「人間と暮らす」という独特の環境に適応するためのさまざまな進化上の課題を解いてきました。

その過程で、オオカミ由来の遺伝子を“道具箱の一つ”として利用しながら、今の多様で愛すべき姿にたどり着いた可能性があるのです。

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