オレンジジュースの遺伝子活性に与える影響を本気で調べてみた

オレンジジュースと聞くと「糖分が多くて太りそう」というイメージを持つ人も多いでしょう。
確かにジュースには食物繊維がなく糖分も多いため、健康に良くないと考えられがちです。
実際、一部のニュースやコラムでは「ジュース=太る」「ジュース=血糖値スパイク」という言い方が強調されることがあります。
しかし近年、オレンジジュースについては、別の顔が少しずつ見えてきました。
血圧やインスリン抵抗性(血糖を下げにくくなる状態)、血中コレステロールなどが、少しだけ良い方向に動いたという研究が積み重なってきたのです。
またオレンジ由来のフラボノイドであるヘスペリジンやナリンゲニンといったフラバノン(柑橘由来のポリフェノール)が豊富に含まれ、これらは抗酸化作用や抗炎症作用など健康への有益な働きが報告されています。
果物や野菜を多く摂る食生活が健康に良いことは昔から知られており、100%オレンジジュースの習慣的な摂取は心臓病や脳卒中など心血管疾患のリスク低下と関連するという研究もあるのです。
しかし「ジュースを飲むと健康に良い」とはいっても、それが体内でどのような仕組みで起きているのかは長らく謎のままでした。
これまでの多くの研究は、「血圧が何ミリ下がったか」「コレステロールがどれくらい減ったか」といった“結果の数字”を見るものが中心で「遺伝子レベルでは何が起きているのか」まで踏み込まれることは多くはありませんでした。
そこで今回の研究チームは、オレンジジュースを飲む前と後で、血液中の免疫細胞の「遺伝子の働き方」を一気に調べ、さらに体重別に違いがあるかどうかを見てみようと考えました。
もし、日常的な一杯のジュースで、遺伝子の働き方までが変ってしまうとしたら、オレンジジュースはもはや「ビタミンC」が入った甘いジュースという俗的な見方は大きく覆されることになります。
しかし私たちにとって馴染み深いオレンジジュースに、遺伝子の働き方そのものを細胞レベルで変化させる「強い効果」のようなものは本当にあるのでしょうか?























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