VTuber卒業はファンに大きな喪失をもたらすとの研究結果が発表
VTuber卒業はファンに大きな喪失をもたらすとの研究結果が発表 / Credit:“Can’t believe I’m crying over an anime girl”: Public Parasocial Grieving and Coping Towards VTuber Graduation and Termination
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VTuber卒業はファンに大きな喪失をもたらすとの研究結果が発表 (3/3)

2025.12.22 18:30:31 Monday

前ページ悲しみは減るのに、後悔は増え続ける

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別れ方の設計が、心の痛みを左右する

別れ方の設計が、心の痛みを左右する
別れ方の設計が、心の痛みを左右する / Credit:Canva

この研究によって、VTuberの卒業や契約解除は、ファンにとって「名前を呼ばれ、一緒に笑い、一緒に泣いた時間そのものを失う“喪失”」として体験されていることが示唆されました。

悲しみやショックの言葉は時間とともに減っていきますが、「もっと応援できたはずだ」という後悔はケースによって差があり、「あの人のことは忘れない」という忠誠の宣言は、むしろ増えていくというパターンは、その喪失が一度きりの痛みではなく、心の中で長期的に熟成していくものであることを教えてくれます。

研究者たちは、こうした感情の変化について、「推しが消えたことを悲しむ」という初期の段階から、「推しがいたという事実や思い出そのものを大切に抱え続ける」段階へと、感情が移り変わっている可能性があると説明しています。

また、この研究は単にファン心理の理解を深めるだけでなく、社会的に重要な発見もしています。

それが「別れ方の設計」という視点です。

桐生ココさんの卒業と潤羽るしあさんの契約解除を比較すると、その差が鮮明に見えてきました。

桐生ココさんの場合は事前に卒業が告知され、最後には特別な卒業ライブまで開催されました。

つまり、ファンは気持ちの整理をつけ、前向きに推しを送り出す「時間的な余裕」がありました。

一方、潤羽るしあさんの場合は契約違反により、告知と同時に即座の活動停止となりました。

そのため、「何が起きたのか分からない」「どうして最後に配信をさせないんだ」といった混乱や怒りが一気に噴き出したのです。

しかも、この衝撃に追い打ちをかけるように、約1か月後にはYouTubeのアーカイブ(過去の動画)がすべて公開停止または削除され、ファンが思い出を振り返る場所まで奪われました。

そのとき、一部のファンは消えていく画面を最後まで見届けようとチャンネルページに張り付き、まるで物語が最終ページから破り取られていくような強い喪失感を経験したと言われています。

ここから読み取れるのは、運営側やプラットフォーム(配信サービスなど)の判断ひとつで、ファンの感情が激しく揺さぶられ、心理的なダメージが大きくなる可能性がある、という示唆です。

つまり、VTuberの別れ方は単なる運営の内部事情やルール問題に留まらず、「人々の心」に直接関わる繊細な問題なのです。

もちろん、この研究にも明確な限界はあります。

対象となったのは英語圏の巨大掲示板Redditを使う人々に限られ、しかもホロライブという有名な事務所の、特に注目された二つの事例に焦点を絞っています。

日本のファンや、小規模なVTuber、ひっそりと活動終了した場合など、状況が変わればファンの反応も違ってくる可能性があります。

しかし、それを差し引いても、この研究の価値はとても大きいと言えます。

まず、VTuberや推し活を単に「危なっかしい趣味」や「ただの娯楽」という極端な見方から解放し、新しい人間関係のあり方として真剣に考え直す機会を提供してくれます。

さらに運営側の判断や、動画の管理(アーカイブの取り扱い)といった現実的な問題も、単なる「炎上対策」や「数字の話」にとどまらず、ファンの「感情」や「記憶」から考える必要があると気づかせてくれる点も重要です。

テレビドラマの最終回で登場人物が消えてしまった時、多くの人が涙を流したことがあります。

VTuberが引退する時にもそれと同じ、あるいは人によってはよりリアルな悲しみが、視聴者の胸に刻み込まれるのです。

推しは画面の向こうにいる存在ではありますが、その存在と過ごした日々は、現実の友人との思い出と同じくらい、私たちの心の一部になっているのです。

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VTuber卒業はファンに大きな喪失をもたらすとの研究結果が発表 (3/3)のコメント

ゲスト

やはりデジタル教祖様だった…。

    ゲスト

    当初は絵キャバ嬢なんて呼ばれてたのに、気がつけば宗教になってた

    ゲスト

    つーかVごとにそのVのファンを示す独自の呼び名があるという時点で、宗教のイニシエーションの一種にしか見えないんだよな・・・

ゲスト

滅茶苦茶当たり前の事書いてある…

ゲスト

例えると友人が転校することに決まった時の学生の反応みたい。
当たり前のことが、当たり前に起きることが分かった。

ゲスト

契約解除となる事をしでかした以上配信させないのは普通だろ…何処も一緒じゃないの?それに契約解除でも1ヶ月はアーカイブを見れる様にしてるのはカバーの温情では?そこでお別れの機会をくれる訳だしそれが辛くて見れないというなら見なきゃいいし削除されるのも至極当然じゃん。只ホロライブは公式での動画はあるし切り抜きChに削除要請しないで少しは見れる様にしてるのも温情じゃん

    ゲスト

    なるほど。そういう考え方もあるのか。確かにそう考えれば見方も変わるかもしれない。

ゲスト

他所では卒業でもCh消える所はあるしホロライブは卒業後もCh残るのは嬉しい。そもそも契約解除は会社では無く当人の問題であり責任は会社では無く当人にあるのだからで会社に当たるのは筋違いでしょ。契約解除後に配信しないのも当たり前だし号泣謝罪以外やる事ないし…荒らしや誹謗中傷も酷いだろうね…それを誰が見たいか?それか自己弁護に徹した上で徹底的に他責か?より荒れるし更に情報漏洩するなんてオチだろ。契約解除なら配信させずCh削除も当たり前だと思う。削除までの猶予期間は温情だし無くても別にいいんじゃないかなとも思う。そもそも卒業と契約解除は全くの別物でしょ。

ゲスト

当たり前のように(漠然と)思われていたことを、しっかりサンプル集めて信頼できる「当たり前」にするのも研究活動の大きな目的やね
そしてまぁ…ドンピシャな時期にこの記事出したわね…

ああ言う名無し

Vtuberファンの心理は社会心理学として興味ある。あの界隈なんかエキセントリックで怖いんだもの。

ゲスト

コメントで議題から外れた大演説してる人は何が気に障ったんでしょうかね

    ゲスト

    そりゃあ自分の推しじゃない会社の記事だからじゃない?

ゲスト

テレビ時代のタレント、アイドルとはまた違った形態の存在でアニメキャラや声優にも近いものがあるのでファンの心理分析は単純に興味深い

ゲスト

ケースの一人にあげられている「潤羽るしあ」がファンにショックを与えたのは、卒業そのものじゃなくて、卒業(契約解除)に至るまでの過程の方が遙かに大きいので、検証ケースとしては不向きなのでは…

ゲスト

中の人がその後も活動を続けていることが抜けてるんじゃないだろうか。
深く悲しんだ人ほどそちらに流れて悲観的な反応は減るのでは。

ゲスト

当たり前の事だけど、データで集計する事で見え方も変わりますね。特に時間経過での、忠誠心の強化や応援の不足を嘆く後悔は良く調べたよね。

ファンの投稿だから、長い文章もあるだろうから…一万以上分析したのか。
サイエンスにも強い大学だから、AI活用も途中からしたのかな。
(3年前からだと、OpenAIがまだそこまで有用では無かったと思う。2023年12月頃に一般のニュースに出始めてたと思う)

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