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10万人の人間とAIの創造性テストを実施。結果は? / Credit:Canva
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人間「上位10%」の創造性スコアはAIを大きく上回る (2/2)

2026.02.02 11:30:13 Monday

前ページ10万人の人間とAIで創造性を比較

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人間のトップ層の創造性はAIを大きく上回る

研究チームはまず、拡散連想課題のスコアを用いて、人間とAI創造性を分布として比較しました。

人間10万人のスコアをならべてみると、その幅は非常に広く、低いスコアの人から非常に高いスコアの人まで、ばらつきが大きいことが分かりました。

一方で、GPT-4など一部の大規模言語モデルは、人間全体の平均スコアと同等、あるいはそれを上回る値を示しました。

これは、AIが拡散的思考を必要とする言語課題において、一定水準の創造的パフォーマンスを安定して発揮できる段階に到達していることを意味します。

しかし、人間のスコアを詳しく見ると、別の姿も浮かび上がってきます。

研究者たちは参加者をスコア順に並べ、上位50パーセント、上位25パーセント、上位10パーセントといった層ごとに平均スコアを計算しました。

その結果、上位層に進むにつれて人間のスコアは一貫して高くなり、AIとの間に明確な差が生じることが確認されました。

とくに上位10パーセントの人間参加者は、すべてのAIモデルを大きく上回るスコアを示していました。

ここで測られているのは、「どれだけ遠く離れた意味の単語を組み合わせられるか」という拡散的思考の一側面です。

今回の結果は、AIもこの点ではかなり健闘している一方で、「非常に大きく意味を飛ばした連想」を生み出すような、きわめて高い水準の創造性が、現時点では人間の上位層に集中していることを示しています。

研究チームはさらに、拡散連想課題だけでなく、俳句の作成、映画のあらすじ、短編小説といった、より実践的な創作課題についても比較を行いました。

これらの課題においても、一部のAIは平均的な人間と同程度、あるいは条件によってはそれ以上のスコアを示す場面がありました。

しかし人間の文章全体の平均スコアや、特に創造性の高い人たちを集めたグループと比べると、AIは依然として一段下の水準にとどまっていました。

拡散連想課題で見られた「トップ層の人間の優位性」は、文章創作という別の文脈でも再確認された形です。

また、AIの創造性は固定されたものではなく、生成時の設定や指示の与え方によって変化することも示されました。

生成時のパラメータを調整すると、AIはより多様で大胆な連想を示し、拡散連想課題のスコアははっきりと上昇しました。

映画のあらすじや短編小説のような創作課題でも、温度を上げることで創造性指標が高くなるケースが確認されています。

研究者たちは、今回の結果をもって「AIが人間の創造性を置き換える」と結論づけるべきではないと強調しています。

この研究で測定されたのは創造性の一側面であり、芸術的価値や社会的なインパクト、長期的な創作活動の持続力まで含めたものではありません。

むしろ今回の研究は、AIが創造的活動の一部を支える道具になりつつある一方で、人間の創造性が持つ幅と奥行きは依然として大きい、という二つの事実を同時に浮かび上がらせたと言えます。

人間はAIと勝ち負けの対決をするというより、それぞれの得意分野をどう組み合わせていくかを考えるべきなのです。

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