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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
health

日本人の腸内細菌は世界の人とどう違うのか?調査した結果 (2/2)

2026.02.17 12:00:28 Tuesday

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海藻を分解できる腸内細菌?食文化が刻んだサイン

もう一つ、日本人の腸内環境を象徴する特徴があります。

それはノリやワカメなどの海藻に含まれる多糖類を分解する酵素遺伝子が、日本人の約90%以上から検出されたことです。

海藻の多糖は、野菜や穀物など陸上植物の多糖とは化学構造が大きく異なります。そのため、分解には専用の酵素が必要です。

この酵素遺伝子は、主に海藻を常食とする東アジア人集団で高頻度に見られ、欧米諸国ではほとんど検出されませんでした。

つまり、日本人の腸内細菌は、長年の食文化に適応してきた可能性が高いのです。

私たちが何世代にもわたって食べ続けてきたものが、腸内細菌の遺伝子レベルにまで影響を与えていると考えると、驚かされます。

さらに研究では、日本人集団内での個人差も解析されました。

年齢によって増減する細菌が存在し、男性ではプリボテラが多く、女性ではエガセラ(Eggerthella)が多い傾向が示されました。

また、BMIが高い人ほどアシダミノコッカス(Acidaminococcus)やメガスファエラ(Megasphaera)が多いことも確認されました。

日本人の腸内環境は、国際的な位置づけだけでなく、年齢や性別、体格といった基本的な個人差とも深く結びついているのです。

腸内細菌は「日本人らしさ」を映す鏡

今回の研究は、日本人の腸内マイクロバイオームを、世界規模のデータの中で初めて体系的に位置づけた点に大きな意義があります。

日本人の腸内細菌は、高所得国型の構成を持ちながらも、ビフィズス菌の豊富さや海藻分解酵素の高頻度といった独自の特徴を備えていました。

そしてその背景には、遺伝的体質と食文化の相互作用があると考えられます。

腸内細菌は単なる「お腹の中の住人」ではなく、私たちの歴史や生活様式を映し出す存在なのかもしれません。

今後、このような大規模データ解析が進めば、日本人に最適化された予防医学や個別化医療の実現にもつながることが期待されます。

私たちの体の中には、想像以上に“日本らしさ”が刻まれているのです。

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