賢い人の思考法③:知っていても答えるのが遅い
3つ目の特徴は、「知っている内容であっても、あえて答えるのが遅くなる」という点です。
学校の授業や会議の場では、真っ先に手を挙げて答えを言える人が「頭の良い人」とみなされがちです。
しかし研究では、知能の高さは単純な処理スピードよりも、「直感的な反応をいったん止める力」と強く関係していることが示されています。
人の考え方には大きく2つのモードがあるとされます。
ひとつは、パッとひらめくような速い考え方。
もうひとつは、時間をかけてじっくり考えるゆっくりした考え方です。
誰もが両方のモードを使っていますが、研究によると、知能の高い人ほど「最初に浮かんだ直感的な答えを、必要に応じて止める」傾向が強いとされています。
実際、2022年の研究では、難しかったり直感に反したりする問題に直面したとき、高知能の人は一度立ち止まり、直感をそのまま口にするのではなく、より慎重な推論モードに切り替える傾向が示されました。
このとき働いているのが、自分の考えの間違いをチェックする力です。
「本当にこれでいいのか?」「何か見落としていないか?」と、頭の中でブレーキをかけているのです。
その結果として、知っている内容なのに答えるまでに少し時間がかかったり、話し始める前に間が空いたりします。
外から見ると、「自信がない」「よく分かっていない」と見えることもあるでしょう。
しかし実際には、速さよりも正確さを意識している場合があります。
特に、ちょっとした勘違いが大きなミスにつながるような場面では、この慎重さは大きな強みになります。
ここまでで”実は賢い”人がもつ「3つの思考法」についてお伝えしました。
私たちはつい、「賢さ=速く、迷いなく、スッキリ答えが出ること」と考えがちです。
しかし実際には、会話を何度も頭の中で検証し、矛盾を抱えたまま考え続け、あえて答えを急がない人こそ、高度な認知処理をしている可能性があります。
外からは非効率に見える思考も、脳にとっては高度な機能が発揮されている状態かもしれません。
賢さとは、速さではなく、複雑さや曖昧さと正面から向き合う力なのかもしれないのです。
なおトラヴァース氏は、これらの特徴があるからといって必ずしも高い知能を意味するわけではなく、どんな場面でも必ずプラスに働くとは限らないことも強調しています。
あくまで「こうした思考パターンが、高い認知能力と結びつきやすい」という傾向として参考にするのがよさそうです。



























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