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Credit: canva
psychology

「自分の見つめすぎ」は逆にうつや不安症につながる

2026.03.21 12:00:51 Saturday

「自分と向き合うことが大切だ」とよく言われます。

悩んだとき、自分の気持ちを振り返り、原因を考え、改善しようとする。

こうした行為は一見すると健全で、むしろ推奨されるべきもののように思えます。

しかし近年の研究は、この常識に意外な疑問を投げかけています。

どうやら「自分を見つめすぎること」は、私たちを幸せにするどころか、むしろ不安やうつのリスクを高める可能性があるようなのです。

研究の詳細は2025年2月1日付で学術誌『Current Psychology』に掲載されています。

Too much self-reflection is linked to anxiety and depression, not happiness https://www.psypost.org/too-much-self-reflection-is-linked-to-anxiety-and-depression-not-happiness/
The relationship between self-reflection and mental health: a meta-analysis review https://doi.org/10.1007/s12144-025-07415-9

自己内省の「やりすぎ」は良いことなのか?

中国・湖南農業大学(HUNAU)の研究チームはこれまでに行われた複数の研究を統合するメタ分析という手法を用い、「自己反省(内省)」とメンタルヘルスの関係を改めて検証しました。

自己反省とは、自分の思考や感情、行動を振り返る内面的なプロセスです。

心理学では一般的な人間の認知機能とされ、自己理解を深める重要な手段と考えられてきました。

ところが、この内省の効果についてはこれまで一貫した結論が出ていませんでした。

ある研究では「内省が強い人ほど不安が高い」とされ、別の研究では「内省が人生満足度を高める」と報告されるなど、正反対の結果が並んでいたのです。

この混乱を整理するため、チームは「二因子モデル」という枠組みを採用しました。

これはメンタルヘルスを「ポジティブな側面(幸福感・自尊感情など)」と「ネガティブな側面(うつ・不安など)」に分けて評価する考え方です。

分析の結果、約1万2500人の健康な成人データを含む39件の研究を統合しても、内省とポジティブなメンタルヘルスとの間には明確な関連は見られませんでした。

つまり、自分をよく振り返る人ほど幸福感が高いとは言えなかったのです。

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