恋愛における「何も感じない」の影響は?
恋愛関係では、愛情や喜びだけでなく、ときには不満や怒りも含め、相手に対して何らかの強い感情が動くのが普通です。
だからこそ、「好きでも嫌いでもない」という状態は、かえって見過ごされやすいのかもしれません。
この研究が注目したのは、まさにその点でした。
心理学では、相手への評価は大きく4つのパターンに整理できると考えられています。
好意が強い状態、嫌悪が強い状態、好意と嫌悪が同時にある状態、そして今回のテーマである「どちらも弱い状態」です。
研究チームは、この最後の状態を「無関心」として、恋愛関係の中で詳しく調べようとしました。
研究は複数の調査から成り立っています。
Study 1では591人、Study 2では980人の恋愛関係にある参加者をオンラインで調査しました。
さらにStudy 3では、オランダ在住のカップルを対象に、最終的に360人のデータを3年間にわたって追跡しました。
半年ごとに質問票へ回答してもらうことで、無関心と関係の変化の結びつきを時間の流れの中でも確かめています。
この調査のために、研究チームはまず、恋人に対する無関心を測るための新しい尺度を作りました。
「Subjective Interpersonal Indifference Scale」という名前で、これは、「相手に強い感情を感じない」「喜びも失望もあまり感じない」といった項目に答えてもらい、恋人への無関心の程度を数値化するものです。
そのうえで、関係満足度、コミットメント(関係を続けようとする気持ち)、信頼、別れを考える頻度に加え、人生満足度、ストレス、抑うつなども測定。
さらに、なぜ無関心が悪影響をもたらすのかを探るため、関係の退屈さ、親密さ、そして恋人以外の魅力的な相手への関心も調べています。
その結果、恋人に対して無関心な人ほど、関係満足度や信頼、コミットメントが低く、別れを考えやすい傾向が繰り返し示されました。
個人面でも、人生満足度の低下や抑うつ傾向との関連が報告されています。
しかもこれは、単に「相手を嫌っているから」では説明しきれないものでした。
研究では、相手全体を低く評価している影響を統計的に差し引いても、無関心そのものが独自に悪い結果と結びついていたのです。
では、なぜ「嫌いでもない状態」がここまで関係を弱らせるのでしょうか。






















































