本当の危機は「成功の直後」から始まった
約10分間の船外活動を終えたレオーノフは、宇宙船へ戻ろうとします。
ところがここで深刻な異変が起きました。
真空環境の影響で宇宙服が膨張し、想定よりも大きく硬くなってしまったのです。
その結果、手は手袋の奥で抜けるような状態になり、足もブーツの中でずれてしまい、当初の手順どおり足から先にエアロックへ戻ることができなくなりました。
ただでさえ狭いエアロックなのに、膨らんだ宇宙服のせいで体が入らないのです。
宇宙空間で「玄関につかえたまま家に入れない」というと少し奇妙に聞こえますが、状況の深刻さはまさにそれでした。
レオーノフは、とっさに頭からエアロックへ入る方法に切り替えます。
しかし、それでも宇宙服が膨張しすぎていて通れません。残された手段は一つだけでした。
宇宙服内の酸素を自分で少しずつ抜き、服の内圧を下げることです。
これは非常に危険な賭けでした。
酸素を抜きすぎれば酸欠や減圧症を招きます。
実際、彼はしびれなど、減圧症の初期症状を感じ始めたとされています。
それでも生命維持装置の残り時間を考えれば、何もしなければそのまま死ぬだけです。
レオーノフは酸素を徐々に放出し、宇宙服を少しでも細くしようとしました。
しかも彼は猛烈な暑さにも襲われていました。
宇宙は冷たい空間という印象がありますが、直射日光を浴びながら激しく体を動かすと、熱は簡単には逃げません。
レオーノフは汗でヘルメット内の視界が悪くなるほど体温が上がり、この任務だけで体重が6キロ減ったと後に語っています。
極寒の真空で凍えるどころか、宇宙服の中で熱中症寸前になっていたのです。
それでも彼はついにエアロックへ入り、宇宙船に戻ることに成功しました。

ところが安心する暇はありませんでした。
頭から入ったせいで、今度は狭い筒の中で体の向きを変え、ハッチを閉める必要があったからです。
大きく変形した宇宙服を着たままそんな動作を行うのは、ほとんど曲がらない着ぐるみ姿で押し入れの中に入り、そこで一回転しろと言われるようなものです。
それでもレオーノフは何とかやり遂げました。
ですが、ピンチはまだ終わりません。
帰還後には宇宙船が回転し始め、船内の酸素濃度が危険なほど上昇したとされます。
少しの火花でも大事故につながりかねない状況です。
さらに、地球への帰還段階では自動再突入システムが故障し、手動操作に切り替えざるを得なくなりました。
その結果、宇宙船は予定地点から外れ、深い雪に覆われた森林地帯へ不時着します。
そこはロシアのタイガ地帯でした。
救助はすぐには来られず、レオーノフと指揮官パーヴェル・ベリャーエフは、厳しい寒さの中で一夜を過ごすことになります。
宇宙という非日常の極限を切り抜けた直後に、今度は雪と森のサバイバルが待っていたわけです。
このように、人類初の宇宙遊泳は、成功のファンファーレとともに終わったのではなく、最後まで神経をすり減らす試練の連続だったのです。


























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