たった1回「数十分の点滴」で3つの難病が寛解

治療の流れは、医療ドラマにしては驚くほど短いものでした。
投与当日、彼女の体重1キロあたり100万個、合計およそ数千万個の改造T細胞が点滴で体に入っていきました。
これは薬の瓶を一本、腕から落とすだけの、わずか数十分の出来事です。
点滴はこれ一回きり。
毎日通う必要も、繰り返しの投与もありません。
しかし体の中では目に見えない効果が起き始めていました。
注入された改造T細胞は、血流に乗って全身を回り、潜んでいたB細胞を一つひとつ見つけ出しては処分していきます。
そして自分自身も分裂して増えていきます。
やがて彼女の血液中からは、誤作動していたB細胞がきれいさっぱり姿を消しました。
投与から7日目、彼女はそれまで頼ってきた輸血を最後に1回受けたきり、もう二度と必要としなくなりました。
退院した直後から、彼女は見違えるように元気を取り戻し、自分の足で立ち、普段どおりの生活を送れるようになったのです。
25日目、彼女のヘモグロビン値は13.0グラムで女性の正常範囲のど真ん中の数字です。
赤血球が壊されているときに上がる指標(LDHやビリルビン)もその後正常域に戻り、血液検査の紙の上では、少なくとも主要な指標はすべて寛解域に入っていました。



















































