建材を奪われると、5%の確率で「巣作り」が失敗する
今回の研究で面白いのは、巣材の盗みが特別な“悪さ”として起きているというより、鳥たちの日常行動の延長にあるように見えることです。
鳥たちは森の中で、それぞれよく活動する高さ帯を持っています。
そして餌を探して移動する中で、同じ高さにある巣に出会い、そこから材料を持ち去っている可能性が高いと考えられます。
つまり、遠くの巣をわざわざ探しに行くというより、ふだんの行動範囲で見つけた材料を再利用しているような姿が浮かび上がってきます。
また、盗みの対象の多くは、すでに使われなくなった巣でした。
しかし約10%は、まだ建設中だったり、卵やヒナが入っていたりする活動中の巣でした。
こうした巣では、材料を奪われることで巣の状態が損なわれたり、親鳥が巣を離れたりするおそれがあります。
実際、研究者は、巣の構造が損なわれたことや、親鳥がいなくなったことと結びつく失敗例を観察しています。
一見すると、5%という数字は小さく感じられるかもしれません。
ですが、ハワイの在来鳥類はすでに、生息地の変化、病気、気候変動といった複数の問題にさらされています。
とくに、蚊が媒介する鳥マラリアの影響で、高地へと追いやられている鳥も少なくありません。
そうした状況では、巣材の盗みのような一見ささいな行動でも、繁殖の成功率を少しずつ下げ、個体数の減少を後押しする可能性があります。
さらに興味深いのは、この盗みが別の種の巣に対してだけでなく、同じ種どうしでも起きていたことです。
たとえばアカハワイミツスイは、最も頻繁に盗む鳥であると同時に、最もよく盗まれる鳥でもありました。
数が多い種ほど巣どうしが近くなりやすく、そのぶん材料の奪い合いも起きやすくなるのでしょう。
研究者たちは、もし今後、巣材や安全な営巣場所がさらに不足すれば、この行動がもっと目立つようになる可能性もあるとみています。
枝を一本盗むだけなら、取るに足らない出来事に見えるかもしれません。
けれど、自然の中では、そんな小さな行動が繁殖の成否を左右することがあります。
今回の研究は、動物たちの何気ないふるまいの中にも、種の未来に関わる見逃せない要素が潜んでいることを教えてくれます。





























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