画像
優しさと陰険さは両立する / Credit:Canva
psychology

優しさと陰険さは両立する――「いい人だから安全」とは限らない理由 (2/2)

2026.04.26 12:00:22 Sunday

前ページ人を傷つける「陰湿な攻撃」を「性格」だった

<

1

2

>

優しさでは止まらない?「親切と攻撃は共存する」と判明

ここからが、この研究のいちばん興味深いところです。

研究者たちは当初、ライトな性格傾向が高い人ほど関係性攻撃は少ないだろうと予想していました。けれど、実際の結果はもっと複雑でした。

「人は基本的に善だと思うこと」や、「他人の価値を尊重すること」は、それだけでは関係性攻撃を有意には減らしていませんでした。

一方で、人を手段として扱わないという道徳的な姿勢と、実際に人を助ける向社会的行動には、関係性攻撃を減らす方向の関連が見られました。

ただし、その効果は大きいものではありませんでした。

つまり、頭の中で「人は大切だ」と思っているだけでは十分ではなく、より具体的な倫理観や行動にまで結びついているときに、はじめて少し抑制効果が見えてくるのです。

さらに研究チームは、向社会的行動とダークな性格傾向の組み合わせも探索的に調べました。

すると、ダークな性格傾向が強い人では、親切な行動が多くても関係性攻撃の水準がなお高い傾向が見られました。

これはどういう意味でしょうか。

研究者たちは、ダークな性格傾向が強い人の中には、親切な行動と攻撃的な行動が別々の手段として同じ人の中に併存している可能性があると考えています。

たとえば、ある場面では協力的に振る舞い、別の場面では噂や排除を使う、という具合です。

この結果から見えてくるのは、私たちが普段使う「いい人」という見方の危うさです。

人当たりがよいこと、助けてくれること、感じがよいことは、その人が他人を傷つけない保証にはなりません。

性格の中には、善意的な傾向と悪意的な傾向が同時に存在しうるからです。

もちろん、この研究は一時点での自己回答調査なので、因果関係を断定することはできません。

研究者たちも、今後は長期的な追跡調査が必要だと述べています。

それでもこの研究は、少なくとも一つの重要な現実を示しました。

「人の優しさは、その人のすべてを保証するものではない」ということです。

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

0 / 1000

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!