人間の学習は「簡易モード」と「統合モード」を使い分けている
研究チームは、「部品から1つずつ学ぶ方が理解力が高い」理由を探るために、参加者の学習を計算モデルで再現しました。
そこで重要になったのが、2種類の学習モードです。
ここでは分かりやすさのため、1つ目を「簡易モード」、2つ目を「統合モード」と呼びます。
簡易モードは、複数の手がかりが同時に出ていても、それぞれの手がかりを単独で扱うような学習です。
例えば、円、四角、ひし形が同時に出て「晴れ」だったとします。
本当は、3つの図形がどのように組み合わさって晴れを示したのかを考える必要があります。
しかし簡易モードでは、たとえば「ひし形が晴れっぽいのかもしれない」などと、それぞれを独立に更新してしまいます。
この方法は、モデル上では認知的な負担が小さい学習法だと考えられます。
ただし、結果に対する各図形の貢献を正確に分けられないため、誤った学習につながる危険があります。
一方の統合モードは、複数の手がかりをまとめて考え、「この組み合わせ全体から見ると、どの図形がどれくらい効いていたのか」を更新する方法です。
こちらの方が正確ですが、認知的な負担は大きくなります。
研究チームのモデル解析では、人間はどちらか一方だけを使っているのではなく、状況に応じて2つのモードを切り替えていることが示されました。
つまり人間の学習は、常に複雑な情報を一度に処理しているわけではないようです。
モデル上では、まず負担の小さい簡易モードを使い、必要に応じて統合モードへ切り替えていると考えられます。
ここまでのことを考慮すると、最初の実験の「部品を1つずつ理解していく」学習の強さが見えてきます。
この方法では、結果の原因を1つの図形に結びつけやすいため、手がかりごとの影響の強さを正確に学びやすくなります。
そのため後の複数手がかり課題でも、モデル上はより正確な統合処理に移りやすかったと考えられます。
逆に、最初から複数の図形をまとめて見せられると、どの図形が結果に効いていたのかが分かりにくくなります。
これを正しく理解するための「統合モード」は、脳にとって負担が大きいものです。
すると参加者は、無意識のうちに負担の小さい簡易モードに頼りやすくなり、結果として手がかりの影響の強さを正確に学びにくくなるのです。
「難しい問題をいきなり丸ごと理解しようとすると、かえって本質をつかみにくくなる」という私たちの実感は、この学習モデルから見ても理にかなっているのかもしれません。
では、今回の研究を現実の教育にどのように当てはめていけるでしょうか。




































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