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人生のほぼすべてを覚えている人に共通する「睡眠中の脳活動」が明らかに / Credit:Canva
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「人生のほぼ全て」を忘れない”超記憶”の秘密は、睡眠に隠されている可能性 (2/2)

2026.05.22 17:00:49 Friday

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”超記憶”の人では、睡眠中の「脳波のリズム」に特徴があった

結果は、意外にも「大きな差がない」ことから始まりました。

HSAMの人と対照群の間には、知能や一般的な記憶検査、主観的な睡眠の質、日中の眠気に明確な差は見られませんでした。

さらに、総睡眠時間、各睡眠段階に費やした時間、ノンレム睡眠中のゆっくりした波の強さにも差はありませんでした。

つまり、HSAMの人は「長く眠っている」わけでも、「深い睡眠が極端に多い」わけでもなかったのです。

ところが、脳波をより細かく見ると、重要な違いが見つかりました。

HSAMの人では、ノンレム睡眠中の「睡眠紡錘波」が多かったのです。

睡眠紡錘波とは、眠っている脳に一瞬だけ現れる短い脳活動の波です。

記憶研究では、この睡眠紡錘波が、学習した情報を安定させ、長く残りやすくする過程に関わると考えられています。

今回の研究では、HSAMの人で睡眠紡錘波の密度が高く、前頭部、中央部、頭頂部でその差が見られました。

特に大きな差が見られたのは、頭頂部に置かれた電極で測定された脳波でした。

さらに重要なのは、睡眠紡錘波が、ノンレム睡眠中のゆっくりした脳波のピークと、より正確に同期していたことです。

これは、眠っている脳が記憶を整理するタイミングが、よりうまく噛み合っている可能性を示します。

これにより、昼間の経験が長く残りやすくなる可能性があります。

こうした結果から研究チームは、HSAMの人が特別に多くの情報を取り込んでいるというより、睡眠中の記憶固定が強いために、記憶が忘れられにくくなっている可能性を示しました。

これは、「記憶力がいい」とは何かを考え直させる発見です。

私たちは普通、記憶力を「覚える力」だと考えます。

しかしHSAMの研究が示しているのは、記憶の個人差には「忘れる力」や「眠っている間に残す力」も深く関わるかもしれないということです。

もちろん、今回の研究はHSAMの人9名を対象とした小規模な研究であり、睡眠パターンがHSAMを生むと断定することはできません。

それでも、記憶を失う病気や加齢による認知機能低下を考える上で、HSAMは重要な手がかりになります。

もし「忘れにくい脳」に共通する睡眠リズムがさらに分かれば、将来的には記憶障害の理解や、記憶を支える方法の研究にもつながる可能性があります。

人生の多くの日々を鮮明に覚えている人たちの脳では、夜の眠りの中で、記憶を残す仕組みが少し特別に働いているのかもしれません。

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