空を飛ぶ鳥ではなく「森を滑空する捕食者」だった可能性
ジアン・チャンマエンシスは鳥ではありませんが、鳥を生み出した恐竜の系統に非常に近い仲間でした。
ミクロラプトル類は、鉤爪や鎌状の足の爪といった肉食恐竜らしい特徴を持つ一方で、全身に羽毛をまとい、鳥と恐竜の境界を思わせる姿をしていました。
とくに特徴的なのが、腕だけでなく脚にも発達した羽毛を持っていた点です。
そのため、ジアン・チャンマエンシスも、近縁種と同じように前肢と後肢の両方に翼のような構造を備えていた可能性が高いと考えられています。
まさに、4枚の翼を持つ小さなドラゴンのような姿です。
【研究チームが復元したジアン・チャンマエンシスのイメージ画像がこちら】
ただし、この恐竜は現代の鳥のように羽ばたいて自在に空を飛べたわけではなさそうです。
チームによれば、今回の新種を含むミクロラプトル類は、本格的な動力飛行はできなかったものの、ムササビのように滑空することはできた可能性があります。
つまり、空高く舞い上がってハヤブサのように急降下する捕食者ではなく、木の上から木の上へと滑るように移動し、枝の間や樹冠で獲物を狙うタイプの捕食者だったのかもしれません。
白亜紀の湖畔の森で、4枚の翼を広げて木々の間を滑る小さな捕食者。
その姿は、恐竜と鳥の境界が、私たちの想像以上にあいまいで豊かなものだったことを教えてくれます。
化石はまだ肩と前肢の一部しか見つかっていません。
しかし、もし将来、頭骨や脚、羽毛の保存された標本が見つかれば、この「4枚翼のドラゴン」がどのように生き、何を食べ、どれほど巧みに森を滑空していたのかが、さらに鮮明に見えてくるはずです。
古代中国の森を飛び回っていたのは、鳥だけではありませんでした。
その影には、翼を4枚持つ小さな恐竜ハンターも潜んでいたのです。
























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