マウスの背中を撫でると眠りやストレス反応が変化!母マウスによる幼少期のケアが必要だった
研究チームはまず、母マウスが仔の体のどこをよく舐めているのかを確認しました。
生後2日の仔マウスの背中側と胸側に水分で消える印をつけ、母親の元に戻したところ、胸よりも背中側の印が大きく消えていました。
これは、母マウスが仔の背中側をよく舐めていることを示しています。
次に研究チームは、母マウスの舐め行動を模して、柔らかいブラシで仔マウスの背中を刺激しました。
すると仔マウスでは、筋活動が低下し、心拍も下がり、脳波ではノンレム睡眠に近いデルタ波が増えました。
つまり背中を撫でられた仔マウスは、単に動きを止めただけでなく、眠りに入りやすい生理状態へ移っていたと考えられます。
さらに、母親から離された仔マウスでは通常、ストレスホルモンであるコルチコステロンが上昇します。
しかし、離されている間に背中を撫で続けると、このストレスホルモンの上昇が抑えられました。
一方で、絆や社会的接触に関わるとされるオキシトシンには、有意な変化は見られませんでした。
特に重要なのは、この反応が生まれつきの単純な反射ではなかった点です。
母親から離して人工的に育てられた仔マウスは、体重増加や基本的な反射には大きな異常を示しませんでした。
しかし背中を撫でても、筋活動の低下、心拍の低下、睡眠への移行、ストレスホルモンの抑制が起こらなかったのです。
さらに研究チームは、視床下部で働くCacna1bという遺伝子に注目。
人工哺育された仔マウスでは、この遺伝子の働きが約半分に低下していました。
また、母親に育てられたマウスでもCacna1bを人為的に低下させると、背中を撫でたときの鎮静反応が失われました。
この結果は、少なくともマウスでは、初期の母子接触が、背中を撫でられたときの鎮静反応を支える脳の仕組みの発達に関わる可能性を示しています。
このように今回の研究は、背中を撫でるという身近な行為が、赤ちゃんの覚醒やストレスを調整する仕組みと深く関わっている可能性を示しています。


























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