性格特性の「ビッグファイブ」と「音楽の聴き方」の関連性
次の研究では、先の新尺度とビッグファイブと呼ばれる性格特性との関係が調べられました。

すると、外向性の高い人ほど、予想通り、友人などと一緒に音楽を楽しむ「社会的聴取」の得点が高くなっていました。
人との交流から刺激や楽しさを得やすい外向的な人にとって、音楽もまた共有することで魅力が増す体験なのかもしれません。
一方、神経症傾向の高い人ほど、「個人的聴取」の得点が高くなっていました。
神経症傾向とは病気を意味する言葉ではなく、不安や心配、ストレスなどを感じやすい性格傾向のことです。
こうした人は、一人で音楽に没頭することで感情を整理したり、心を落ち着かせたりしている可能性があります。
また、関連は弱いながらも、
・誠実性の高い人は、一人で音楽を聴くことを好む
・協調性が高い人も、一人での音楽聴取を好む
・開放性が高い人は、複数人での同時視聴を好む
という傾向が示唆されました。
ただし、一人で聴くことを好む人ほど孤独である、という結果は得られていません。
個人的聴取と孤独感の間には有意な関連がなく、一人で音楽を楽しむことは、社会的な孤立とは別のものだと考えられます。
また、他者と聴くことを好む人は、ポップ、ラップ、ダンス、R&Bなどを含む流行性や踊りやすさのある音楽だけでなく、比較的幅広いジャンルを好む傾向も示しました。
一人で音楽を聴くことを好む人では、関連性は弱いながらも、オペラ、クラシック、カントリー、ゴスペルに加えて、パンク、メタル、オルタナティブ、ロックを好む傾向が見られています。
(※ ただし、例えば「一人で聴く人はロック好き」と一般化できるほど強い関連性はなかったとのこと)
音楽を共有する人は、場面や相手に応じてさまざまな曲を楽しむ「音楽的雑食性」を持っている可能性があります。
ただし、この研究は一時点の質問調査であり、性格が音楽の聴き方を直接変化させるという因果関係までは証明していません。
また、参加者は主にヨーロッパのオンライン回答者だったため、日本を含む他の文化でも同じ傾向が見られるかは、今後の検証が必要です。
音楽の好みというと、私たちはつい「何を聴くか」に注目します。
しかし今回の研究は、「誰と、どのように聴くか」にも、その人らしさが表れる可能性を示しました。
イヤホンをつけて自分の世界に入る時間も、誰かと同じ曲を共有する時間も、私たちが音楽に求めているものを映す小さな鏡なのかもしれません。



























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