「切り分ける癖」は、本当に測れていたのか

使ったのは、埋め込み図形テストという課題です。
まず、色のついた複雑な図形をしばらく見ます。
次に、白黒の簡単な形を見せられます。
そしてもう一度、複雑な図形に戻り、その中に隠れているかんたんな形を、なぞって見つけ出す。
かかった時間が短いほど、まわりの模様に邪魔されずに必要な形を抜き出せた、と考えます。
まちがい探しをやったときのことを思い出してください。
絵の中の細かい模様に目を取られていると、いつまでも違いが見つかりません。
模様を無視できる人ほど、答えにたどり着くのが速い。
この課題が測っていたのも、その速さでした。
実際、3つの傾向が強い参加者ほど、隠れた形を見つけるのが速いという結果になりました。

ここで、それはただ頭が良いだけではないか、と思った人がいるかもしれません。
創造性は、いろいろなものに左右されます(なぜシャワーを浴びていると「創造的なアイデア」が浮かびやすい)。
年齢や性別、学歴。それに、創造性と結びつくと知られている「開放性」という性格。
これらの影響を取りのぞいたうえで計算しています。
新しい問題を解く力と、積み上げた知識の量も、同じように取りのぞきました。
それでも、性格から成果へ、考え方の癖を通る筋道は残った。ジャンコラ氏はそう述べています。
とはいえ、測ったのは図形を見つける速さです。
ひとつのことをじっくり考え抜く習慣そのものを測ったわけではありません。
性格も成果も、本人が質問紙に答えた内容である点も、頭に置いておく必要があります。
そして、示されたのは統計の上でのつながりです。暗い性格が作品を生む、と言い切れる段階ではありません。
それでもこの研究は、性格と成果のあいだに「情報の受け取り方」という一段を置いて考える道を示しました。
まわりに流されない癖は、うとまれることもあれば、作品として実を結ぶこともある。
空気を読まない、と言われる人。図形の中からは、ちゃんと読み取っているのかもしれません。


























