コウモリは地球のどこで生まれたのか?

分析の結果、コウモリは約6500万年前のヨーロッパで生まれた可能性が高いことが分かりました。
つまり、ほ乳類が自分の力で羽ばたいて飛ぶ能力を手に入れた場所も、ヨーロッパだった可能性が高いということです。
この結果は、コウモリがアフリカ、アジア、北アメリカで生まれたというこれまでの説をくつがえしました。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(動力飛行できる唯一の哺乳類「コウモリ」はどこからきたのか?)
ヨーロッパで生まれたコウモリの子孫は、まずアフリカへと移り住みました。
その後、ヨーロッパとアフリカを拠点にして、アジア、南北アメリカ、オーストラリアへと広がっていったと研究チームは説明しています。
また今回の研究では、いま生きているすべてのコウモリの共通の祖先が持っていたゲノムも、初めて復元されました。
これは、空を飛べるほ乳類の祖先のゲノムがどんな姿だったのかを示すものです。
さらに研究は、もう一つの長年の謎にも手がかりを与えました。
それは、コウモリがいつ「反響定位(のどで出した音のはね返りを聞いて、まわりの様子を知るしくみ)」を身につけたのかという謎です。
カギとなったのは、「ヴィエラシア(Vielasia)」という化石のコウモリです。
この化石は、コウモリの家系図の中で最も古い枝に位置づけられました。
しかもヴィエラシアの体には、反響定位ができたことを示す特徴がありました。
このことから、反響定位は、いまのコウモリのなかまが多くのグループに分かれていくより前から存在していたと考えられます。
空を飛ぶ力と反響定位というコウモリを代表する2つの能力は、どちらもコウモリの歴史のごく初めに生まれていたとみられるのです。
研究チームは、この早い時期に手に入れた2つの能力が、その後6500万年にわたるコウモリの大きな繁栄を説明するとしています。
今回の研究は、コウモリの家系図を書き直し、コウモリの進化をめぐる長い議論に決着をつける助けになると期待されています。
花粉を運び、種をまき、たくさんの害虫を食べてくれる身近なコウモリの羽ばたきには、はるか昔の祖先から受け継いだ力が込められているのです。
次に夕暮れの空でコウモリを見かけたら、心の中で「ずいぶん長い旅でしたね」とねぎらってあげたくなりそうです。





















